笑う門には福来る2009/04/26 17:14

大阪外大の志水彰教授によると、「笑い」 と言う感情表現は、霊長類である人間と猿にのみ見られる現象だと言う (「ヒトはなぜ笑うのか」 講談社)。

霊長類は笑顏によって、攻撃相手に対して親しみの感情を示して防衛反応を取るのである。

また、吉野槙一日本医大教授が行った実験では、リウマチ患者に 1 時間ほど落語を聴かせた後は、関節リウマチが悪化すると増加すると言われる免疫活性化物質の IL-6 や IF-γ が、聴く前に較べ、顕著に減少する、と言う結果が得られている。

同時に副腎皮質ホルモンであるステロイドホルモンも低下している事から、リウマチの炎症が抑えられたと考えられる。

さらに、癌患者に対して吉本興業の公演を 3 時間楽しませた後は、NK (ナチュラルキラー) 細胞が上昇したと言う結果が得られた。 この NK 細胞は免疫のバランスを正常にする働きを持っている。

ここで言う 「笑い」 とは、例えば、チャップリンの映画を見て笑う様な、人間としての共感を覚えさせる笑いであって、下手なお笑い芸人がよくやる、他人を馬鹿にしたり、叩いたり、侮辱したりする品性の卑しい笑いでは効果がない、と言われている。

笑う門には福来る、なのである。

「笑い」 に限らず、「畏敬の念」 「感謝の心」 「敬虔な祈りの心」 「感動」 などのプラス感情は、大脳の前頭葉に興奮を起させ、その興奮が免疫システムの中枢である間脳に伝達され、間脳から、免疫活性ホルモン (神経ペプチド) が分泌され、1 億個以上存在するといわれる、白血球の NK 細胞の働きを促進し、免疫力を増強する。

モーツワルトを聴いたり、美術館で芸術作品を視たりを心掛ける事でも、免疫力は向上するのである。

参考までに言えば、一般的に、「前向きで、明るく、楽しく」 はコーカサス地方を初めとする世界の長寿国に共通する項目の 1 つでもある。

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