「食べること、やめました」 - 1 日青汁 1 杯だけで元気に 13 年 (森 美智代著, マキノ出版) - (Part 1)2010/01/09 21:54

森さんは, 現在, 大阪府八尾市にある森鍼灸院の院長である. その森さんが如何にして「脊髄小脳変性症」と言う難病を克服するに至ったのか, ご自身の体験を纏めたのがこの本である.

結論は, 本のタイトルになっているので説明は不要であるが, 食事は 1 日に青汁 1 杯だけで元気に毎日を送っているとの事である. 仙人は霞を喰って生きる, とか耳にしたことはあるが, 森さんの食生活は本当に青汁を 1 日に 1 杯飲むだけの様だ.

下記に要点を纏めておいた.

森さんは, 運動機能を司る小脳や脊髄が萎縮し, 次第に運動機能を失って行く難病 (国の認定する特定疾患) 「脊髄小脳変性症」 に罹り, 神経内科医から 「進行を食い止める治療法はなく, 5 年から 10 年の命」 と言われたが, 高校時代に体験した甲田光雄医師の主宰する断食道場を思い出した.

甲田医師を訪ねると, 暫く黙って一生懸命お腹を触ってから 「お腹にガスが溜まっているのが原因だから, 断食して宿便を出せば治る」 と言われ, 森さんは難病の治療を甲田医師の指示に任せる事にした.

甲野医師によれば, 「宿便を出せば, 様々な病気は, 必ず好転する」 のだそうだ.

因みに, 甲田医師は断食や小食療法の先駆的指導者であり, 西勝造氏が 1927 年に確立した独特の体操, 生活習慣, 断食, 生食療法などを実践する 「西式健康法」 の継承者でもある.

断食後の症状の悪化を防ぐべく, 「生菜食の超小食療法」 を開始. これは加熱しない生の食品だけを食べる療法で, 生野菜や果物, 生の玄米粉が中心の食事だと言う.

この断食と生菜食の超小食療法が奏功し, やがて病が癒えた. 難病を克服できた感謝の思いから, 病気で苦しんでいる人々のお役に立ってご恩返しがしたいとの気持ちから, 国家資格である鍼灸師の免許を取り, 鍼灸院を開業したのだと言う.

また, 森さんは, 断食や超小食を繰返す過程で, 「霊的な力」 を出せる様にもなり, 患者さんを眼で見ただけで悪いところのツボ (経穴) が判る様になったとも言う.

生菜食では, 加熱による栄養素の損失・変性がなく, 植物の持つ生命力がそのまま維持されている. 食事の量が少なくなるほど, その 「質」 が問われ, 断食に準ずる様な超小食で身体を養い, 元気を維持して行くには, 最高の 「質」 を持つ生菜食がそれを可能にする事を, 甲田医師は長年の 研究で実証して来たと言う.

やがて, 生菜食でも森さんには摂取エネルギーが過剰になったらしく, 青汁に切替えて行く事になるが, それも一日に 1 回の青汁 (150 g, 摂取エネルギー換算略 50 - 60 kcal) で充分と言う状態になって自然と落着いて行ったのだと言う.

青汁の材料は, 青い葉菜を 5 種類 (例えば, ケール, 白菜, フダンソウ, チンゲンサイ, セロリなど) を, 各 30 g ずつ. それに季節のものなど, その時々に入手し易いものを使って, ミキサーなどに入れ, 青汁にするとの事である.

生菜食や青汁等の小食療法を行うと, 頭がクリアになり, 短い睡眠時間でも元気でいられると言う. この療法のお蔭で鍼灸師の国家試験勉強も難なく突破出来たのだそうだ.

森さんは, 高校時代の「断食合宿」体験で “40 分合掌行” を知り, これがきっかけで, 「手当て」 によるヒーリング力にも目覚めたのだそうだ. 本来誰にでも備わっている筈のものと言われてもいるが、殆どの現代人には失われつつある能力である. 森さんは元々その様な資質が高かったこともあるのだろうと思う.

また, 断食行を続けているうちに 「オーラ」 も見える様になったとの事である.

(Part 2 に続く)
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)