骨盤臓器脱2010/01/29 21:14

女性に見られる疾患で, 通常なら骨盤内に納まっている子宮や膀胱, 直腸などが下って膣外に出て来てしまう症状を総称して 「骨盤臓器脱」 と言う.

逸脱する臓器によって, 子宮脱, 膀胱癃, 直腸癃などと呼ばれる. これら骨盤内にある臓器は筋肉や靭帯などの骨盤底組織が謂わばハンモックの様な状態で支えられている. このハンモックが傷害されると臓器が下に落ちてしまい, 臓器逸脱が起る訳である.

関連疾患も含めると, 日本国内の 40 歳以上の女性の 3500 万人程度が密かに悩んでいると言われる.

お腹の中が下っている感じがしたり, 入浴中に何かが出て来ているのに触れたとか, 残尿感があったり, 椅子に腰を下す時, 何かが圧し込まれる様な感覚があったり, と言った症状に覚えがある方はこの疾患を疑ってみると良い.

出産回数が多い人や難産の経験があり, 出産後に充分休養を取れなかった女性は, 骨盤底が緩んだり傷付いたりしている場合がある.

また太り過ぎると骨盤内の組織を支えきれなくなるので, 肥満も良くない.

重い物を持ったり, 腰痛用のコルセットを長い間着けるのも良くない.

勿論, 加齢による筋力低下も原因の一つとなる.

症状の重い場合や慢性化している場合, 多くは手術をするが、未だ症状の軽かったり, 出産後間もない場合は, 骨盤底を鍛える体操が効果がある.

お腹や腰の力を抜き, 肛門と膣を 10 秒前後ギュッと締めた後, 次に 20 秒程度緩めてやるのである.

姿勢は座ったままでも仰向けになってやってもどちらでも良いが, これを 1 日に何十回か繰返す. テレビを観ながらでも, 立って料理をしながらでも良い.

上記の体操に加えて, 按摩や鍼・灸の施術を受ける事で, 更に改善効果が期待出来る事は言うまでもない.
-----------------------------------------------------------はり・きゅう・マッサージ トミイ
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(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)