アレルギー性鼻炎 (花粉症) と鍼灸治療2010/03/03 05:04

先月後半から, い よいよ花粉情報が天気予報などで報道される季節となった. 今や 5 人に 1 人が 「花粉症」 に悩まされていると言われている.

「花粉症」は 1819 年, イギリスのボストックと言う医師が「Hay Fever (枯草病)」として記載したのが最初だと言われている.

日本では 1960 年代前半に「スギ花粉症」として発表されて以降, 70 年代半ばから季節的な大量飛散が確認され, それと連動して花粉症の患者も激増する様になって現在に至っている.

花粉症の 4 大症状 「くしゃみ」「鼻水」「鼻詰まり」「目のかゆみ」 は患者の QOL (生活の質) を著しく低下させ, その辛さは罹ったものでなければ判らない部分がある.

正直言って, 花粉症だけで, 鍼灸院に駆け込んで来る患者さんは少ない.

多くが他の疾患を主訴としてお見えになる患者さんが殆どである.

が, 鍼灸で 4 大症状が大幅に軽減する患者さんも少なくはないのである.

実は, 誰あろう私自身が数十年来の “筋金入り” の花粉症に悩んで来たのである. 減感作療法を初め, ありとあらゆる治療を受けて見たが, 私の場合, QOL を改善することは出来なかったのである. 

また, 私は, アレルギーを抑える薬の 「副作用」 にも悩まされ続けたのである.

そこで最後の砦として試みたのが 「鍼灸」 で, 現在は著しく QOL の改善を見ている.

私の場合は, 鍼だけでは効果が大きくは得られず, 灸を据える事によって 4 大症状を抑える事に成功している. (実は, この道を志した切っ掛けの一つが, 花粉症の治療だったのである.)

私の場合, 現在は, 自分で自分自身に施術を行っているので, 治療できるツボが限定されてしまう (例えば, 背中にある「兪穴 (ユケツ)」には鍼を打ったり, 灸を据えたりは出来ない) のであるが, 他の花粉症の患者さんの例を見ても, どうも花粉症に対しては, 鍼に加えて, お灸が “必須” の様に思われる.

花粉症でお悩みの方は一度是非ご相談戴きたい. 特に, 薬を服用する事が出来ない, 妊産婦の方などは, 5 月の連休明けころまでは辛い毎日を送らねばならぬと憂鬱な思いをされておられるものと思うのである.

「甲の薬は乙の毒」と言われる様に, 人間の身体は, 千差万別, 十人十色であるから, “絶対” などと言う心算はないが, もし, 私の施術で QOL を少しでも改善するのにお役に立れば光栄である.

最後に, 自分で出来る花粉症対策を幾つかご紹介しておくので, 興味のある方はトライしてみて戴きたい. アレルギー性鼻炎は, 鼻の内部が鬱血状態になっているので, 血行をよくしてやれば症状が改善される訳である.

1. 先ずは, マスクをすること, 特に外出時は必ずマスクを欠かさない事である (私の経験では, “予防” にはこれが一番効果的). 

2. 水かぶりや乾布摩擦 (これは緊急の瘀応急対策にはならない. 日頃の皮膚の鍛錬が必要)

3. 鼻洗い (私の経験では,これは症状の改善に効果を見た.)
(1) 両手の中指の腹を, 鼻の両脇にあて, 20 回ほど小鼻に掛けて上下に擦り合わせる.
(2) 鼻の一方の穴を片手で押さえて塞ぎ, 水を張った洗面器などに顏を付けて, 開いている方の鼻の穴から水を通して、口から吐き出す.
(3) 同じ要領でもう一方を繰返す. これを最低でも左右 3 回繰返す. 水では鼻が痛い事もあるので, ぬるま湯でやることをお奨めする.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)