ED (勃起不全) と東洋医学2010/03/30 21:29

商売柄, 色々な相談が寄せられるが, 時には意外な相談もある.

過日, 30 代前半だと言う男性から ED (勃起不全) についての相談が寄せられた事がある. 高齢者の ED は或る意味 「自然の理」 とも言えるが, これまで迂闊にも, 若くして悩んでいる人もいる事に思い至らなかった.

また, Sexless の結婚生活を送っている若い夫婦も少なくない様なのである.

然し, 人生 85 年として, 仮に 20 年以上も Sexless の生活を送らねばならないとすると, 私には,生きる喜びも割り引いて考えざるを得ない部分があるのではないか, と感じるのである.

女性においては, エストロゲンを初めとする女性ホルモンの分泌が, また, 男性の場合は, テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの分泌が少なくなると, 通常, 精力も衰えてしまう. 精力は, 或る意味, 生命エネルギーの一部でもある.

女性が何時までも若さを保つ為にも, エストロゲンの分泌を促す Sex Life は無視できない, との説もあるくらいだ.

閑話休題.

さて, 上気の相談をうけて, ED に悩んでいる人がどの位いるものなのか, 調べてみてその人数の多さに驚いた.

日本性機能学会の調査によると, 30 - 79 歳の男性において, 軽度を除いて, 中等度から完全 ED の患者は略 1130 万人と推定される (2008 年版 『ED 診療ガイドライン』) と言うのである.

また, データは少し古いが, 1998 年時点で, 年齢別の ED 有病率は, 40 歳代で 20%, 50 歳代では 40%, 60 歳代になると 60% 前後と当然ながら高くなっている. (白井 將文著 「男子性機能障害 - 正しい知識と診療の実際 -」)

ED は動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中などの前兆である, との説もある.

テストステロンは男性生殖機能に直接関与するのみならず, 筋肉や骨の生成, 造血作用, 動脈硬化の予防, 認知機能などにも関係しており, テストステロンの分泌が低下すると, 日常生活での意欲や集中力が衰えたり, 睡眠不足を惹き起したり, 内臓脂肪が増えることから生活習慣病の可能性も高まると言われている.

この意味で, 男性も女性も, 若さを保つことは, 生活習慣病を予防する事と同義であるとも言える.

「未病を治す」東洋医学は, その人が本来持っている “生命エネルギー (= 免疫力)” を高めてやるのが基本である.

日頃の健康管理に, 東洋医学をもっと活用して欲しい, と思うのである.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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