耳鳴り2010/06/17 20:51

耳鳴りに悩まされている人は意外と多いようである.

耳鳴りに関する最古の記述は, 略 3,500 年前の古代エジプトで見付かっており, バビロンでは 20 通り以上の処方や治療法が知られていたとの事である.

その他, インド, アラビア, ペルシャ, ギリシャ, ローマなどでも可成り詳細な文献が見付かっており, 人間は太古の昔から耳鳴りには悩まされていた事を知る事が出来る.

因みに, 歴史上の人物で耳鳴りに悩まされていたのは, マルチン・ルター, ジャン・ジャック・ルソー, ルードウィッヒ・フォン・ベートーベン, ベドリッチ・スメタナなどを挙げる事ができる. 現在では, バーバラ・ストライサンドも耳鳴りに悩まされていると言う.

耳鳴りには大きく,感音性の障害 (音が高く, 内耳・中枢の疾患) と伝音声の障害 (音が低く, 中耳の疾患) とに分ける事が出来る.

が, 耳鳴りは厄介な症状で, これと言った決定的と言える治療法が未だに確立されていないのが現状である.

例えば, 慢性の耳鳴りで, 激しい苦痛を伴うため, 聴神経を切断する手術をして, 完全に音が聞こえなくなったとしても, 耳鳴りが消えないと言う症例もある様である.

また, 楽聖と言われるベートーベンは耳が聞こえなかったにも拘らず, 耳鳴りには悩まされていた訳である.

この様な事例から, 耳鳴りは, 必ずしも内耳から脳に送られるシグナルによるものではなく, 脳の内部で起るものである事を示唆している.

耳鳴りは, 脳の中の聴覚中枢における知覚障害なのである.

耳鳴りの原因としては, 何らかのストレスに基づく事が多いと言われるが, 具体的には, 以下の様なものが考えられる.

1. 内耳の損傷 (例えば, 老人性難聴, 突発性難聴, メニエール病など)
2. 脳血管の動脈硬化
3. 頚椎の変性
4. 顎の疾患
5. 糖尿病, 高血圧, 脂質代謝異常などに伴う異常

前述の様に, 決定的な治療法はないが, 症状を軽減する方策は, 西洋医学でも東洋医学でも, 色々試みられているので, 専門医や鍼灸師に相談してみると良いだろう.

また, 「耳鳴りとともに生きる」 日常生活の指針としては, 以下の様に言われている.

1. 耳鳴りと共に生きることを覚える. : 引き籠る事無く, 自由な時間を楽しみ, 趣味に打ち込み豊かな生活を送る様に心掛ける.

2. 耳鳴りを改善すべく以下を心掛ける. : 静かな状態を避け, 寧ろ, 毎日の日常生活で音に囲まれて生活する. また, 出来るだけリラックスする事を心掛ける.

3. 過度のアルコールは避け, ほどほどにし, 喫煙はしない.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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