謝 心範の 「真・養生学の勧め」 - Part (2)2010/07/17 21:27

さて, 体内の時刻表に関しては, 西洋医学の関係者の間でも研究されている.

植物・動物・昆虫などが, 或る一定の時間帯に活動している事に注目した研究者が, 国際生物リズム研究会を設立し, 時間生物学 (Chronobiology) が生まれた. 1978 年にはアメリカのデルベア博士が痛み止め, 麻酔, 消炎剤, 強心剤, 利尿, 抗高血圧, 抗癌剤などを時間別に投与し, その治療指数や副作用の変化状況を報告している.

例えば, 胃癌患者に抗生物質使った実験では, 午後 7 時頃の投薬では 8 時間の薬効しかなかった. 然し, 午前 7 時に投与すれば治療効果は 16 時間と倍以上も効果が続く事が実証されている.

これは時間のバイオリズムを利用すれば, 少ない量の薬でも高い効果が得られる事を証明するものである.

処で, 科学的に検証される以前から, 気功などの養生法もこの時間に合わせて行なえば効果が高い事が伝えられて来ている.

養生学が発表している各駅の時刻表は, 人によって個人差はあるが, 肺は午前 3 - 5 時の間に病気を発生し易くなる. 午前 5 - 7 時は大腸に異変が起きる時間だと言われている.

臓器の変化が発生し易い時間帯を整理すると次の様になっている.

<臓器に変化が起き易い時間帯>
肺 : 3 - 5 時
大腸 : 5 - 7 時
胃 : 7 - 9 時
膵臓 (脾) : 9 - 11 時
心臓 : 11 - 13 時
小腸 : 13 - 15 時
膀胱 : 15 - 17 時
腎臓 : 17 - 19 時
前上半身 : 19 - 21 時
後上半身 : 21 - 23 時
胆嚢 : 23 - 1 時
肝臓 : 1 - 3 時

変化が発生し易い時間とは, 外からの刺激の影響を受け易い時間でもある.

それ故, 気功指導をする時は, 相手の体質だけでなく, 弱った部位を見究めて, その臓器にプラスになる時間に集中する様にする. 時間帯によって効果が倍増する事もあれば半減してしまう事もあるからである.

そこで, 薬を各臓器の時間帯に合わせて服用すれば, より高い効果が得られる事にもなる.

心臓病の人ならお昼前後, 胃腸薬を朝 7 - 9 時頃服用すれば, 他の時間帯よりも効き目が速く強いと言われている.

更に内臓が外からの刺激を受け易いと言う事は, マイナス面の変化も起き易い時間帯に当る. 従って, その時間は臓器に極度の負担を掛けない様注意する必要がある.

例えば, 朝食の時間帯に当る 7 - 9 時は胃に変化が起き易いので, 朝から暴飲暴食は胃にダメージを与えてしまうのである.

また, 心臓の刺激を受け易い時間は昼時なので, 激しい運動は避けた方が良い. 胆嚢・肝臓に変化が起き易い 23 時以降は, 養生学では飲酒をしない様呼び掛ける時間帯なのである.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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