中高生の 13% が弱い幻覚・妄想を経験2010/08/02 02:01

7/8 付日経夕刊に 「弱い幻覚・妄想, 中高生 13% が経験, 厚労省研究班 “早期発見が必要”」 との記事が載っていた.

記事によると, 中学・高校生の13%で, 弱い幻覚や妄想などの経験があることが, 厚生労働省研究班 (主任研究者 = 岡崎祐士・東京都立松沢病院院長) の大規模調査で判った, と言う.

また, 思春期に精神的な不健康状態を放置すると, 将来, 精神疾患を患うリスクが高まる可能性もあると言われており, 研究班は早期発見・支援の必要性を訴えている.

調査は 2008 - 09 年に高知県と三重県の中高 73 校で実施. 中 1 から高 3 の男女約 1 万 8100 人にアンケートに答えて貰ったもの. 回答率は 93%.

その結果, 全体の 13.8% の生徒が 「誰かに後をつけられていると感じたことがある」 「他の人には聞こえない声が聞こえる」 と言った, 弱い幻覚や妄想を経験したと答えた.

また全体の 2.1% は, 幻覚や妄想を経験して精神的に不健康だと自覚しているものの, 誰にも相談していなかった, と回答しているらしいが, こうした生徒の中には, 頭痛やだるさに悩む生徒が目立ったと言う.

また, 自傷行為や鬱状態に悩んでいる人もいた.

海外の研究では, 思春期に弱い幻覚や妄想を経験すると, 将来, 統合失調症などの精神疾患のリスクが高くなるとの報告があるという.

研究班の東京都精神医学総合研究所の西田敦志研究員は 「困っていて助けが必要な生徒が放置されている. 早期発見に取り組み相談に乗るなど支援が必要だ」 と話している, との由.

13.8% と言う数字を如何見るか? であるが, これは予想以上に大きいと捉えるべきであろう. 昔から, この種の患者は一定の割合で存在していたが, 現代の若者の心は, 想像以上に病んでいるのである.

然し, これは若者に限った事ではない. 以前もこの欄で触れているが, 全国規模でみても, 病院の外来患者で最も多いのは, 何らかの形で精神に不調を訴えている患者である.

身体の健康もさることながら, 心の面での健康も大切である事に変りはない.

A Sound Mind in a Sound Body! (健全なる精神は, 健全な肉体に宿る) とはよく言われるが, 何れかが病むと, もう一方も必ず病んで行くのである. 精神と肉体は表裏一体, 繋がっているのだ.

スポーツによって身体を鍛える事は可能である, が, 精神を健全に保つ術は容易ではない. 誰しも, これをやれば絶対大丈夫, と言う手段はないからである.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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