続・食の国内自給率について考える事2010/09/23 03:58

以前、本欄で紹介した料理研究家の清水信子先生は, 「元気の源は日本型の食生活から」 と常々仰っておられる.

「私たち料理研究家は, 今の日本の食事や食生活を本来の姿に戻す働きかけをしなくてはいけない」 との使命感に駆られていると言う.

ここで, 清水先生の説く 「日本型の食事, 食文化」 とは米を中心にした "主菜", 四季折々のその土地で採れた野菜類を腫とした "副菜", 漬物などの "副々菜", そしてこれらに合った "汁物" (主に味噌汁) から成る日本の伝統的な食事を指している.

太平洋戦争後, 我々親の世代は, 洋風の食事が良いと教わり, 育てられて来たので, 我々の子どもたちも, 当然, それが良いものだとの影響を受けている.

然も, ハンバーガーを初めとするファーストフードが人気を集めるようになった.

「食」 で怖いのは, 子どもたちが 6 歳になるまでに, 将来の食べ物が決まってしまうと言う事だ, と京都大学大学院農学研究科の伏木亨教授の主張に, 清水先生は強く賛同されておられる.

6 歳までの間に穀物をたっぷり食べ, 魚を主にして季節の野菜や海藻などを食べ続けて身体を作って行く事がどれほど大切な事か!

今の子どもたちには, 小さい時からメタボリック・シンドロームが増えて来ているのも, このような日本型の伝統食が失われてしまった事に一因がある, とさえ清水先生は指摘している.

そして, 日本の伝統食の優れた点の一つに, 「出汁 (ダシ)」 を挙げている.

清水先生は, 簡単な出汁のとり方として, 次の様にレシピーを紹介している.

昆布と鰹節がどちらも 7 g くらい (昆布なら 7 cm 位, 鰹節なら軽く一つまみでよい) を 5 カップ 1 L の水に入れ, 火にかける.

小さい火にかけてコトコト沸いて来てから, 3 分間コトコト炊いたら火をとめて, やはり 3 分間置いておく.

ここからが大切なのだが, 昆布は先ず出しておいて, 少し大きめの茶こしを用いて出汁を漉す.

すると本当に綺麗な琥珀色の 「出汁」 が取れる.

その後, ほんの一つまみの塩を入れる. すると蛋白質が, スーッと固まるので, 濁ったり匂いが付いたりし難くなる.

それを冷まして冷蔵庫に入れると, 2, 3 日は充分美味しく食べられる.

こうして作った出汁には, 当然の事ながら, 添加物は全く含まれておらず, 上質のミネラルと蛋白質がたっぷりと入っている. 

清水先生は, 毎朝この出汁を温めて飲んでいるとの事である. この出汁が清水先生の健康の秘訣でもあるそうだ.

日本人が今, とても殺伐としているが, その原因は食べる事に 「優しさ」 がなくなっているからだ, と言っている.

「一生懸命に作ったお料理は, その心が伝わらない訳がない. そう言う心の籠ったものを家族が揃って食べる事が, よい社会を作る源になって行く.

日本が優しい人たちの集まりであった昔の様に, 人を思い遣る心を取り戻して欲しいと願っており, 私たち料理研究家もそのお手伝いをして行きたい」 との使命感を清水先生は持っておられるとの事である.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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