認知症には笑顔が一番! - Part (2)2010/10/23 02:31

処で, 去年発表された研究によると, 進行したアルツハイマー病の患者に, 「笑顔」, 「泣き顔」, 「驚いた顔」 など様々な表情の写真を見せて, 「この人はどんな気持ちか?」 と聞いてみると, 「驚いた顔」, 「怒った顔」 は余り認識できなかったが, 「笑顔」 は大部分の人が認識できたと言う.

認知症になると, 他人の表情から気持ちを読み取る能力が低下してしまう.

然し, 笑顔, 詰り 「相手が幸せか, 幸せでないか」 を読み取る能力は最後まで衰えないことが判って来たのだと言う.

介護する人が疲れたり, 精神的に追い詰められたりして笑顔になれなくなってしまうと, 介護される人もそれを感じて不安になってしまう事が考えられる.

専門家によると, 「いま介護に疲れている人や, これから始める人は, 介護保険のサービスを利用して少しでも "自分の時間" を持ち, 笑顔になれる余裕を作ることが, 介護される人のためにも大切だ」 とアドバイスしている.

(お住まいの市町村にどのようなサービスがあるかは, 「地域包括支援センター」 で相談を受け付けているとの事である.)

さて, 認知症が進行すると, コミュニケーションが取り難くなってしまう.

すると, 本人の 「気持ち」 や 「何を望んでいるか」 などが判らなくなるため, 介護する側にとって, それが大きな問題になる.

そこでいま注目されているのが, 「バリデーション (Validation)」 と呼ばれる認知症の人とのコミュニケーション法だと言う.

日本語で 「価値を認める」 というような意味があるが, ポイントは, 認知症の人の気持ちに共感し, 理解しようとすること.

そのうえで下記のようなテクニックを使う事で, 認知症の人とコミュニケーションが取り易くなるとの事である.

バリデーションのテクニック (一部)

1) アイコンタクト :
アイコンタクトを取ることで, 安心感を持って貰うことが出来る.

2) 言うことをそのまま繰り返す :
辻褄の合わない言葉であっても否定せず, そのまま疑問形にして繰り返す. すると 「自分の言うことを聞いてくれた」 と感じて貰うことが出来る.

3) 思い出話をする :
認知症になっても, 昔の記憶は残り易い傾向がある. 昔の思い出を話すことで, 感情的に落ち着くことが期待出来る.

4) やさしく触れる :
完全に会話ができなくなった人でも, 優しく手を握ったりして 「ここに家族がいる」 と知らせると安心できる.

上記のテクニックは, あくまで相手の気持ちに寄り添うことが目的.

介護する側が疲れていたりする時には, 無理に行う必要はないとのこと.

詳しくは下記ホームページを参照されたい.
公認日本バリデーション協会 : http://www.clc-japan.com/validation/

笑いや笑顔の効用については, 何度か本欄でも言及して来たが, 認知症のケアにも 「笑顔が一番」 なのだ, と言う事を知って, 人生における笑顔の意味するものを再認識した次第である.

余談になるが, この番組の常連回答者である, 山瀬まみちゃんは頭のいい娘だなあ, と何時も感心する.

彼女は知識も豊富だが, 何よりキラリと光る 「知恵」 を備えている.

この若さで, 人間についての理解がこれほど深い女性も珍しい, と思うのは私だけだろうか. 好感の持てる女性である.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
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