性の不一致と離婚について2010/12/04 03:39

厚生労働省 「人口動態統計」 によると, 平成 18 年の離婚件数は 25 万件を越えている (うち, 国際離婚が 6.6% と, 国際結婚の増加に伴い, 離婚件数も増加傾向を示している).

「人口 1000 人当りの, 1 年間の離婚件数」 (「人口 1000 人当りの, 生涯のどこかで離婚する人数」 とは異なる) の事を "普通離婚率" と言う.

が, これは人口の年齢構成の影響を強く受ける.

一方, これ以外の離婚率を "特殊離婚率" と言う.

普通離婚率で言えば, 平成 17 年で人口 1000 人あたり 2.08 となっている..

明治時代は 3.39 であった事に比べれば, 最近の離婚率は低いとも言えるが, これには理由がある.

明治時代の女性は, 処女性よりも労働力として評価されており, 再婚についての違和感が殆どなく, 嫁の追い出し・逃げ出し離婚も多かった事, また, 離婚する事を恥とも残念とも思わない人が多かったからなのである.

一方, 現代の離婚原因の主なものは 「性格の不一致」 である.

また, 熟年結婚が熟年夫婦による離婚の数値を押し上げてもいる様だ.

かつて 「成田離婚」 と言う言葉が流行った時もある.

また最近は, 同居は継続されているものの, 夫婦関係が失われている 「家庭内離婚」 や, 「熟年離婚」 と言う言葉も良く聞かれる.

「熟年離婚」 については, 2007 年 (平成 19 年) 4 月の年金制度の改定で, 夫の厚生年金を離婚時に分割できる (それまでは, 離婚したら妻はもらえなかった) 様になって以降, 実際に離婚件数が急増した訳ではなかったものの, 家庭裁判所における妻からの相談件数は急増し, 離婚を考えている女性は増加しているという.

これは, 調停員をしている知人の話でもあるので, まんざら 間違いない事実なのだろう.

司法統計によれば, 離婚の申し立てにおいて, 夫からの申し立て理由は 「性格が合わない」, 「異性関係」, 「異常性格」の順で多い.

また妻からの申し立て理由は, 「性格が合わない」, 「暴力をふるう」, 「異性関係」 の順となっている.

最近は 「家庭内暴力 (Domestic Violence)」 なるものが顕著になって来ている様だが, これについてはまた別の機会に採り上げる予定である.

さて, ここで見落としてはならないのは, 「性格の不一致」 のなかには 「性の不一致」 も相当数含まれている, と言う事実である. 

オヤジギャグで申し訳ないが, 「性の "格" の不一致」 と言う事のようである. 何とも不幸な事と言わざるを得ない.

性の一致とは, 恰も 「錠と鍵」 ないしは 「抗原と抗体」 の関係の様なものであると考えると判り易いかもしれない.

人間それぞれが個性を持っているが故に, 夫婦関係は十人十色, 万能鍵, 万能抗体などと言うものは存在しないのである.

以前, 本欄でも述べた事があるが, 年をとっても性的にも満たされている女性は, 何時までも若々しく美しい人が多い, と言われている.

例えば, 東洋医学の大家の一人, 石原 結実さんなどは 「既婚者の場合の規則正しい夫婦生活 (房事) も, 健康・長寿の大きな要因になる」 「日本人の夫婦の間でも, 特に若年の夫婦の間にセックスレスが増加していることが社会問題化しているが, こうした点も, 今後の日本人の健康が危ぶまれる一要因かも知れない」 と言っているくらいである.

人の一生において, 性と言うものは大きな位置を占めている. "たかが性, されど性" なのである.

その証拠に, 世界中の文学で Sex を扱わない作家は殆どいないと言っても過言ではないくらいだ.

性の一致を認めている夫婦は恵まれている, と言えるだろう. 幸せなカップルに幸いあれ! Amen!
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