夏川 草介 著 「神様のカルテ 2」 (小学館)2010/12/13 02:43

以前本欄で紹介した 「神様のカルテ」 の続編が出た.

主人公である栗原 一止 (イチト) は "24 時間, 365 日" 診療を掲げる民間救急病院の内科医である.

続編では, 厳しい職場環境に置かれる女性医師, 病院経営のコスト管理に厳しい事務局長らが登場するなど, 第一作に較べて, 日本の医療が直面している幾つかの問題点も突っ込んで描かれている.

第一作同様, 「良心に恥じぬと言う事だけが我々に与えられた報酬だ」 と栗原がしょっちゅう口にする言葉が, 第一作に続いてのメインテーマである事に変りはない.

「医療の現場を支えているのは, システムでも給料の高さでもない. 世の中が持ち上げてくれるからでもない, 医師たちの良心だけで今の医療は成り立っている」 と言う先輩医師の言葉も小説の大事な背景となっている.

著者は, 自身, 日常的に患者が亡くなり, 休日もなく病院を駆け廻る毎日の様だ.

「もっと患者さんにしてあげられる事があったのでは」 と悔いる事も少なくないと言う.

また, 自分は医師には向いていないのでは? と悩んだ時期もあったと言う.

そんな時, 「何か文章を書いてみたら. 気持が変るかも」 と言う奥さんの一言が執筆のきっかけになったと言う.

第一作に劣らず, めまぐるしく物語りが展開する続編も, 思わず涕が込上げてしまう連続と言っても過言ではない.

現場から見た日本の医療が抱えている現状と問題点の一端を知ることが出来ることは勿論, 何よりも "エンタテインメント" として充分楽しめる本である.

「神様のカルテ」 は映画化され, 来年公開される予定のようだ.

主人公の栗原を 桜井 翔, 献身的に主人公を支える妻ハルを, 宮崎 あおいが演じているとの事. 公開されたら一度みてみたいと思っている.
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