女性における男性ホルモンの働き2011/01/10 03:04

体毛を濃くしたり, 筋肉を発達させたり, 所謂, "男らしさ" を作る働きを持っているのが, 男性ホルモンであるテストステロンである.

処が, 女性においても運動機能を高めたり, 生活習慣病を予防するなど, テストステロンは健康維持に不可欠なホルモンである事が判って来た様だ.

今年の 6 月に開かれた, 日本抗加齢医学会総会でのシンポジウム 「男性ホルモン研究最前線・今年の話題」 で, 座長を務めた帝京大学医学部の堀江重郎主任教授が次の様な発表をしている.

女性の血中テストステロン濃度は男性の 1/10 程度であるが, 唾液中濃度は 65 歳未満の女性の場合で 1/3, 65 歳以上では男女差が小さくなっている, と堀江教授は言う.

(血中濃度は蛋白質に結合した不活性のテストステロンを含んでいるが, 唾液中の濃度は, 活性化しているテストステロン量を反映しているそうだ.)

以上の様に, 女性の体内で働くテストステロン量は意外と多い, という事が判った様だ.

従来, 男性ホルモンの濃度が高い程, 寿命が長い, と言う結果が東京大学の研究グループが行った調査では得られている.

この調査結果から, テストステロンは内臓脂肪の蓄積を軽減し, 生活習慣病を予防するなど, 重要な役割を担っている事が考えられる, との事.

更に, 堀江主任教授によると, 女性においても, テストステロンが 「新しい事にチャレンジする」 「合理的な判断が出来て, リーダーシップを発揮できる」 などと言った, 精神活動を支援している事も判ったと言う.

堀江主任教授は,

「更年期を過ぎた女性は, 女性ホルモン (エストロゲン) の分泌が低下し, 健康を守るのにテストステロンが重要な働きをするようになる.

謂わば, 女性だった人が思春期の男性に生まれ変ると言ってもいい」

と話している.

さらに,

「女性がテストステロンを低下させないコツは、先ずは, 楽しい事をしてストレスを解消する事, そして大いに笑いましょう」

とアドバイスしている.

本欄でも折に触れてアドバイスしているが, ストレスを溜め込まない事, 笑いを絶やさない日常生活など, が色々な面で, 心身を健康に保つ秘訣である事が解る.

笑顔は人の心を優しくします.
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