健康小話

ﾍﾞﾙﾙｽｺｰﾆさんの序に, 再びｲﾀﾘｱでのお話を.

過日, 新聞を読んでいて表題の記事が目に止まった.

ｲﾀﾘｱ最大, ﾖｰﾛｯﾊﾟでも有数の産科病院であるﾐﾗﾉのﾏﾝｼﾞｬｶﾞｯﾘ病院が, 2010 年 12 月 21 日に発表したところによると, 同年 1 月から 11 月までの同病院での出産数は 5919, 生まれた子供は 6131 人.

出産した女性の 3 割が未婚で, 22% の女性は父親の名前を明らかにしていない.

08 年に父親の名前を明かさなかった女性は 7%, 09 年には 16% だった. 僅か 2 年で 3 倍になった事で, その理由について議論が起きている.

父親の名を明かさないｼﾝｸﾞﾙ女性の平均年齢は 35 歳, 5 割以上が大卒 (ｲﾀﾘｱの大卒はﾄﾞｸﾀｰと呼ばれ, 数は少ない) で 9 割が働いているとの由.

父親の名前を明かさない理由は 「子供を安全に産める年齢の上限に近づいたｷｬﾘｱ女性が, 結婚はしたくないが子供は欲しい」 と思い始めた事.

そして 「ｲﾀﾘｱは夫婦別姓だが, 子供には父親の姓が付くので, それを避けるため」.

更に 「ｼﾝｸﾞﾙﾏｻﾞｰの方が保育園などで優先権があるので子供を育て易い」 などの事情もありそうだ.

社会学者のｷｱﾗ･ｻﾗﾁｪｰﾉさんは 「男が子供を持つ事を怖がるようになる一方, 女性が 1 人で子供を育てる力を持ったからだ」 と説明している.

この現象は, 現在のところﾐﾗﾉのみで, ﾛｰﾏでは 5% ほど.

然し, ｲﾀﾘｱ女性の先端を行くﾐﾗﾉの女性の間で始まった事で, 近い将来全国に広まる可能性が高い, と新聞では報道している.

父親の名前を明かそうとしないｼﾝｸﾞﾙﾏｻﾞｰが増加している背景には, それなりに様々な理由がある様だ.

子どもを持つ事を怖がる男性が増えているｲﾀﾘｱでも, 男子の草食系化現象が起っているようで, 若い男子の草食系化は世界的な傾向なのだろうか?

それにしても,　不妊症の治療で体外受精から生まれた子どもには, 精子の出所については従来これまで隠匿されて来ている.

こうして生まれた子どもたちも, 既に可成りの人数に達している.

こうした子どもたちも何れ恋愛し, 結婚して子どもを持つ事になる訳であるが, 相手に選んだﾊﾟｰﾄﾅｰが "異母兄弟" だったなどと言う事が将来起り得る可能性を秘めている.

正に, Brave New World! の世界 (本欄で過日紹介済み) も空想ではなくなってくる訳である.

iPS 細胞の項でも触れたが, 医療技術の進歩はこの様な側面も持ち合わせている事を忘れてはならないだろうと思うのである.

昨夜のﾆｭｰｽでは, ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞがいよいよ本格的に流行り始めたようである. 皆さんご注意を!

Have a nice weekend!
-----------------------------------------------------------
はり・きゅう・ﾏｯｻｰｼﾞ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
心や身体に関する悩み事など, お気軽にご相談下さい.
E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp
English speaking clients are welcomed!
Oil massage is available!