1 型糖尿病と 2 型糖尿病2011/02/12 03:44

1 型糖尿病は, 小兒や若年期に発症する事が多く, 体内にある T 細胞などが, 血糖値を抑える作用を持つインスリンを分泌する, 膵臓のランゲルハンス島を攻撃, 破壊し, インスリンが不足して発症する.

一方, 2 型糖尿病は膵臓の β 細胞から分泌されるインスリンの量が不足しているため血糖値が高くなるのである.

徳島大大学院の林良夫教授らのグループは, このほど 1 型糖尿病を改善させる事にマウス実験で成功したと言う.

T 細胞では, 「カテプシン L」 と言う蛋白質分解酵素の活動が活発である事を確認し, 1 型糖尿病のマウスにカテプシン L の働きを抑える阻害剤を投与した.

すると, ランゲルハンス島攻撃のために用いられる別の酵素を作るのに必要な物質が作られず, 攻撃を抑える事が出来た.

この結果, 血糖値は 1/3, 尿糖値は略ゼロまで改善したと言う.

1 型糖尿病については, これまで効果的な治療法がなかった事から, この阻害剤の開発が大いに期待される処だ.

また, 東京大学の門脇孝教授と植木浩二郎准教授らは, 2 型糖尿病における血糖値を抑えるインスリンが出難くなる仕組みを解明したと言う.

膵臓の β 細胞で特定の酵素 「PI3K」 の働きが弱まっている事を突き止めたのである.

この働きを元に戻す事が出来れば, 将来の治療に役立つ可能性が高いとの事.

何れも早く臨床に結び付く様, 研究を加速させて欲しいものである.

糖尿病患者は, 全国で凡そ 890 万人, その殆どが 2 型糖尿病と推定されている.

糖尿病は発症しても, 相当程度進行するまでは自覚症状が殆ど無い.

そのため, 末梢神経障害 (糖尿病性ニューロパチー, 痺れなど), 抹消動脈閉鎖 (動脈硬化, 白内障による失明, 壊疽など), 細小血管症 (網膜症, 腎症, 蛋白尿など) 合併症を発症してからでは手遅れとなる恐ろしい病気なのである.

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