タッピング・タッチ – 心の健康2011/02/23 02:31

心の健康は, 突き詰めれば脳を若く保つ事でもある.

「脳の活性化にはタッピング・タッチが有効です」 と, 東邦大学医学部の有田秀穂教授は奨める.

タッピング・タッチとは, ホリスティック心理教育研究所 (三重県熊野市) の中川一郎所長が開発した手法である.

指の腹で顏や頭などを, 1 回 1 秒位のリズムで 20 - 30 回程軽く触れるのである.

左右の手を交互に使い, 頭部に限らず, 胸や腹と言った様に気持ちが良いと感じる身体の各部分をタッチして行く.

若い人は勿論, 高齢者にも良く使われているとの事である.

典型的な例は, 赤ちゃんと母親との関係にみられる. 赤ちゃんが常に 「抱っこ」 を好むのも, 母親に抱かれると心地よく, 心の安定を得られるからである.

有田教授は, 中川所長と共同で, タッピング・タッチの効果を調べている.

その結果, タッピングの後では, 尿中のセロトニン濃度が高くなる事が判ったと言う.

言うまでもなく, セロトニンは脳の神経伝達物質として重要なものであり, 神経を適度に活性化して心を安定化する働きなどをしている.

「タッピングする事によってセロトニンの分泌が増え, 脳が活性化している」 と有田教授は推論している.

タッピング・タッチは, 一人でも出来るが, 「ペアで行うとより効果的」 と同教授は勧めている. 夫婦, 家族など身近な人と一緒にやれば良い訳である.

人は集団で社会生活をする生き物であり, お互いにスキンシップを取り合う事は, 円滑なコミュニケーションを取る上で不可欠とも言える.

例えば, 猿が群れの中で良く行っている 「グルーミング」 と同じで, 触れ合うだけでも心の働きが活発になる.

按摩・マッサージ・指圧などの施術が心地よいのも, 施術者が患者さんに 「触れる」 と言う行為自体にも由来しているものがある.

ましてや, 愛しあっているカップルの間ならその心地よさは格段に向上する.

東京大学総合文化研究科の石浦章一教授は, 「心身共に健康で長生き出来る生活習慣」 と言うものを提唱している.

その中にも 「人とのコミュニケーションのある生活」 の重要性を挙げている.

仕事をしている時は, 会社などで, 会話もついて廻る. 話す事は脳をフルに働かせる事になる.

愛情に結ばれた信頼関係の深い夫婦間での, リラックスした会話は脳にとって非常に良い影響を及ぼす.

逆に, 一番拙いのは "引き籠り" になる事だとの事.

石浦教授は 「好奇心を持って新たな事に挑戦する」 積極性も大事だと指摘している.

知識を蓄えるだけではなく, 常に新しい事にチャレンジする事が, 心を活性化させるのだ, との事.

「上達しなくても, 楽しければそれで良い」 と同教授は説く.

運動も脳の血流が良くなり, 心を鍛える事に役立つとの事である.

無理して激しい運動をする事はない. 年齢に合せて身体を動かすだけでも良く, 庭弄りや家庭菜園など, 適度に筋力を使う軽い作業もまた良いそうである.

低い山に登ることやウォーキングもお奨めだと言う.

ウォーキングについては, 有田教授もその効用を説いている.

同教授は脳内にあって, 伝達物質としてセロトニンだけを使う, 所謂 「セロトニン神経」 に着目していると言う.

「朝早く起きて日の光を浴びながら散歩をする」 だけで, この神経が活性化され, 健全な心の働きが得られるとの事である.

日頃, 知恵を絞る癖を身に付ける事も重要であるという.

ともあれ, 高齢の夫婦に限った事ではない.

タッピング・タッチを, 「心の老い」 の予防やコミュニケーションの円滑化に活用する事をお薦めしたい.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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