フード・ファディズムへの警鐘 - (1)2011/03/14 07:25

フードファディズム (food faddism) とは, 食べものや栄養が健康と病気に与える影響を過大に信じたり, 科学的に立証された事実とは無関係に, ある種の食べものや栄養が与える影響を過大評価することである.

詰り, 科学が立証した事実よりも, そう言った影響の方を信じて疑わなかったり, 固執したりすることを指す.

フードファディズムの対象となり易いものは, 健康に好影響を及ぼしそうな食品, 有害性が疑わしい食品を初めとして, ダイエット食品, 健康食品, ミネラルウォーターなど様々なものが挙げられる.

なお,「(或る事やモノに) のめりこむ」 ことを, 英語で Fad と言う.

従って, ファディズム (Faddism) とは, 「流行傾れ」 とか 「一時的流行」 を意味する言葉である.

1990 年代より, 医学領域においては, 「根拠に基づいた医療 (EBM : Evidence-based Medicine)」 と言う考え方が普及し始めた.

この様な背景から, 栄養学の領域においても, EBN : Evidence-based Nutrition と言う考えが提唱される様になったのである.

(参考までに, ハーバード大学公衆衛生学部の栄養学部の教授が, 最新の科学を反映し, 企業や団体の影響を受けることなく作成した 「健康な食事ピラミッド (Healthy Eating Pyramid)」 は, 健康に悪い影響を与える精白された穀物, 赤肉・バター, 砂糖が沢山入った飲食品を控える, と言う事が分り易く図示されている.)

本当に健康に影響するのか? の根拠が曖昧なまま, 特定の食べ物・栄養の影響を熱狂的に信じるフードファディズムの一因には, 健康食品などの企業・業界や自称健康食品専門家が, 自分たちに都合のいい情報や研究データだけを流す傾向があることが考えられる.

また, 所謂 "御用学者" と呼ばれる特定の業界に偏った意見を述べる学者もいる.

一般化されない偏った根拠を元に不安を煽るということがある.

企業や業界は, 自分の利益を増やすために, 自ずと一方的に偏ったデータや情報だけを流す傾向がある.

直接的にではなく間接的にであるにせよ, 自社の製品さえ摂れば健康になれるといった印象を生む文言を鏤めたコマーシャルや資料を作成し, 否定的なデータや情報は敢えて公表しないと言う傾向が無きにしも非ずである.

そう言った, 謂わば, 嘘ではないが, 真実とは必ずしも言い難い情報が, マスコミや他の媒体を経由して一般の人のもとに届けられていることが少なくないのである.

未だ合理的な判断のできない子供を初め, 宣伝情報の内容をそのまま信じこんでしまう人々がいるために, フードファディズムが生まれるのである.

その結果, 度が過ぎると, 栄養素のバランスを欠いた食生活となり, 却って健康を損ねる結果にもなり兼ねないのである.

現に, これまで, 健康被害や詐欺と言った実害も生じており, 我々は, フードファディズムに陥る事のない様 「賢明な」 判断能力を持つ様にしなければならない.

フードファディズムに陥りやすい食品について, 幾つか例を挙げると, 精製された穀物, 白砂糖, 食品添加物, インスタント食品などは, 健康に好ましくない影響を与えるとされている.

一方, オリーブオイル, 雑穀, 有精卵, 納豆, サプリメントなどは, 通常, 健康に好ましい影響を及ぼす食品とされている.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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