若い女性の 「痩せ」 願望2011/04/12 02:55

日本成人病 (生活習慣病) 学会の学術集会が 1 月 15, 16 の両日, 東京都内で開かれている.

この学会で, 筑波大大学院の曽根 博仁教授 (内分泌代謝・糖尿病内科) が, 日本の若年女性の 「痩せ」 傾向について注目される講演を行っている.

曽根教授は, 過度の痩せは本人の健康障害のみならず, 低出生体重児の増加にも関連している事を強調し, 「若い女性の痩せ過ぎは, 肥満と同様, 国民の健康に対する脅威となりつつある」 と警鐘を鳴らしたのである.

講演で, 厚生労働省の国民健康・栄養調査などを基に分析した日本人の BMI の推移について解説し, 全体としては, 中年男性層を中心に肥満 (BMI ≧ 25) が増えているのに対し, 女性では 18 歳ごろから 20 歳代にかけて BMI が減少に転じ, 痩せ (BMI < 18.5) の傾向が顕著になっていることを指摘した.

こうした傾向は 1970 年代から見られるようになっており, 曽根教授は 「世界でも特異な日本特有の現象であり, 生理学的に不自然な傾向だ」 と懸念を表明した.

更に, 若年女性の痩せがもたらす悪影響について, 骨粗鬆症の発症リスクや総死亡リスクの上昇のほか, 将来の生活習慣病の発症リスクが高いとされる低出生体重児 (2500 g 未満) の増加などを挙げた.

また, 痩せ願望を持つこと自体も, 自己評価の低下や鬱傾向, 過食などを招き易いと言った危険性を孕んでいるとも指摘.

中高生の痩せ願望には, メディアだけでなく, 自身の体形に不満がある 「痩せ志向」 の母親の影響が見られる, との研究データを紹介し, 「母子双方に対する保健指導が重要ではないか」 とアドバイスした.

曽根教授は, 今後, 日本で特に痩せ志向が強い文化的背景, 痩せの若年女性の食習慣なども明らかにした上で, その成果に基づいた食育を推進する必要性に言及.

「若年女性の痩せをファッションとのみ見るのではなく, 医療的な問題として, 我々医療者が情報発信していかなくてはならない」 と強調した.

かつては 「健康美」 と言う言葉が流行った時代もあったが, バランスを欠いた過度の痩せは, 何よりも本人自身の健康を損ねるのである.

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