冷えは万病のもと2011/04/19 03:58

特に, 女性の患者さんには, 手足の冷えている方が多い.

腰下肢の痛みなどでお見えになる患者さんにも, 「手足が冷えて, 夜よく眠れない」 と悩んでいる方が多いのである.

よく 「冷え症」 と言われるが, 実は西洋医学には 「冷え症」 という病名はないのである.

然し, 風邪と同じく, 「冷え症は万病のもと」 で, 放っておくと様々な身体の不調をもたらすのである.

東洋医学では, 全身のバランスを大切にするが, 「気・血・津 (水分)」 の 3 つのバランスが崩れると病気になると考える.

身体が冷えると, 血液の循環が悪くなったり, 体内の水分が滞ったりして, 体内のバランスが崩れてしまい, 女性は, 月経痛や肌荒れ, 眩暈, 頭痛, 便秘, 不眠などの症状に悩まされる事に繋がる.

冷え症には 2 種類あって, もともと胃腸が弱く, 血圧が低い人に多くみられる 「古典的」 タイプと, 謂わば 「現代的」 とも言えるタイプとである.

特に, 働く女性は, 仕事と家庭の両立で忙しく, 心と身体とが 「過緊張 (高ストレス)」 の状態にある人が多い. 

真面目で, 活動的で几帳面な性格の女性は, 特にそう言った 「過緊張」 が慢性的になってしまっていて, 自分の身体の冷えに気付いていない事が多い様だ.

「過緊張」 の状態が続くと, 身体の機能を制御している自律神経が上手く働かなくなってしまう.

そんな時は, ストレスを緩めてやり, 副交感神経が優位になるように心掛ける必要がある.

身体の冷えは, 普段の生活習慣も大きく影響している.

特に, 夏場の暑さに如何対処するかが, 意外と大切なのである.

冷房の効いたオフィスで薄着のまま働いたり, 定時後, 暑気払いにビヤホールなどで冷えたビールを飲んだりし, 帰宅してもシャワーで済ませて, 冷房の効いた涼しい部屋で寝る, などと言う生活は, 冷えを身体に溜め込んでいる事に他ならない.

従って, 冷え症は, 普段の生活習慣を見直すことで, 可成りの程度改善する事が出来る.

一つは, 服装である.

寒い冬だけでなく, 夏でも, 後頚部, 腹廻り, 足首の 3 ヶ所を冷やさぬよう, 常に温かく保てる服装を心掛けると良い.

冷房の効いた部屋では重ね着をするなど, 室外との温度差を小さくするよう心掛けるのである.

また, 食事も大切である.

東洋医学では, 食材には身体を冷やすものと, 温めるものとがあるとされている.

以前にも本欄で紹介したが, 例えば, 生姜や葱などは, 身体を温める代表例である.

一日の活動のスタートとなる朝の食事は大事にしたい.

朝食には, 温かい, お粥や味噌汁, スープなどで身体を温めると, 体調を整える事ができる.

身体を冷やすコーヒーや緑茶よりも, 紅茶やプーアール茶など身体を温める飲み物がお薦めである.

夜はシャワーで済ませず, 出来るだけ温めの湯船にゆったりと浸かってリラックスし, 身体を芯から温めるようにしたい.

そうする事で, 身体のみならず, 心のストレスまで解されていくのである.

キャリア志向の女性ほど, 自律神経のバランスを崩さぬよう, 普段の生活習慣を大切にして, 健康な毎日を送って欲しいものである.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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