プリオン病の早期発見に道!2011/04/24 02:51

プリオン病 (「クロツフェルト・ヤコブ病 : Creutzfelt-Jakob Disease = CJD) は, 脳にあるプリオン蛋白が構造変化を起し, 異常プリオンとなって脳の神経細胞の中などに蓄積する事で, 全身の不随意運動と, 急速に進行する認知症を主徴とする中枢神経障害を惹き起す病気である.

現在までの処, 根治療法はなく, 発症後の平均余命は, 約 1.2 年といわれている.

米国に端を発し, ビー・ブラウン社 (独) 製造の, ヒト乾燥硬膜を移植された多数の患者がこの病気に感染するという事故は, 日本を含め, 世界的な問題となった.

一方, 牛海綿状脳症 (Bovine Spongiform Encephalopathy = BSE) と言う, 牛の脳に空洞ができ, スポンジ (海綿) 状になる病気がある. 一般的には狂牛病として知られている.

羊のスクレイピーや, 鹿の慢性消耗病, ヒトの CJD などを総称して, 伝達性 (伝染性) 海綿状脳症 (Transmissible Spongiform Encephalopathy = TSE) とも称される.

BSE は, 家畜伝染病予防法によって指定されている監視伝染病の一つである.

この病気が発症した牛は, 当初は痙攣を起したりする程度で, 目立った症状は現れないが, やがて, 音や接触に対して過敏な反応をするようになり, 病状がさらに進むと, 運動機能に関連する部位も冒されて, 立てなくなるなどの症状を示す.

参考までに, イギリスで発生したのは, 飼料として与えた汚染肉骨粉が感染源と考えられている.

なお, 日本での発生原因は完全には解明されていないが, 肉骨粉と同時に牛用代用乳がその原因として疑われている.

この BSE 問題がネックとなり, 米国からの牛肉輸入規制が継続されているが, 米国が早期の規制撤廃を強く求めているのは皆さんご承知の通りである.

さて, 日経によると, このほど, 長崎大学や金沢大学, 豪メルボルン大学などの研究チームは, 脳がスポンジ状になるプリオン病の診断に有望な手法を考案した, との事.

腰椎の髄液から, 病原体とされる異常プリオンを高精度に検出する方法らしい.

現在は確定診断には脳の解剖しか方法がなく, 新手法は患者の早期発見・診断につながる可能性があるとの事.

長崎大の西田教行教授, 佐藤克也講師, 新竜一郎助教らの研究チームは, 異常プリオンが含まれる可能性があるとみて, 脳から脊髄を満たしている髄液に注目.

患者の腰椎から髄液を採り, ネズミでつくった正常なプリオンを混ぜる.

髄液に異常プリオンが含まれていれば, 正常プリオンを異常プリオンに変えて増えるので, 正確に検出できるという.

新手法を CJD の日本人患者 18 人の髄液で試したところ, 15 人で陽性となった. 一方, プリオン病でない 35 人の髄液はすべて陰性だった, と言う.

この事実から, この手法は, 早期に, プリオン病でない人を見分けるのに使える, と研究チームは期待していると言う.

BSE の判定にも応用できると考えられ, 牛肉輸入問題の解決の一助になればよいとは思うが, 手法の確立には未だ時間が掛かりそうである.

Have a nice weekend!
-----------------------------------------------------------
はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
往診も承っております.
心や身体に関する悩み事など, お気軽にご相談下さい.
E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp
English speaking clients are welcomed!
Oil massage is available!