拝啓, 鳩山前総理大臣ドノ - その (7) 政治家の品格2011/04/26 03:53

4/24 付け日経朝刊の 「風見鶏」 と言う政治コラムに 「やせ我慢こそ国の品格」 と題し, 伊奈 久喜特別編集委員が, 次の様な記事を掲載している.

今の菅内閣と民主党の姿を的確に捉えていると思うので, 全文転載したい. 以下, 引用である.

5 月封切りの 「エクレール・お菓子放浪記」 は、戦中・戦後を生きた孤児を描き、涙を呼ぶ映画だ。

空襲で焼けることになる東京の古い町並みは、宮城県石巻市で撮影された。 津波に襲われ、懐かしい光景は映像に残るだけになった。

東日本大震災の被災地は寒く、食料も不足した。 避難所で病気になり、亡くなった人も少なくない。

焼け野原になった 66 年前の東京にも似ていた。 現代国際政治の用語を使えば、深刻な人道危機である。

いま国際社会は、人道危機を座視しない。

知る限り、最も早く反応したのは、ゲーツ米国防長官だった。

訪問先バーレーンで 「甚大な災害だ。 救援のための要請には総て応じる」 と語った。 「あらゆる方法で日本助ける」 の見出しは、日本人の涙腺を緩めた。 米軍は 「トモダチ作戦」 で約束を守った。

「まさかの友は真の友」 は、米国だけではない。

国連によると、日本が 2011 年に外国から受ける援助額は世界一になる。 外務省によれば、142 カ国・地域、39 国際機関が支援を表明した。 20 カ国・地域、4 国際機関が救助隊を派遣した。 45 カ国から実際に物資を受けとった。

救助隊派遣国のうち 5 カ国は、日本が政府開発援助 (ODA) の対象とする発展途上国であり、物資支援国のうち 16 カ国が途上国だった。

貧しいアフリカ諸国からも義援金が届いた。

日本と途上国の双方にとり 「情けは人のためならず」 だった。 「情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来る」 (広辞苑) の意味だ。

菅政権の第 1 次補正予算案は、震災復興のために ODA を削る。

民主党政権らしい短慮である。

国際社会から受けた恩を仇で返す結果になり兼ねない。

予算がないために、日本が他国の人道危機を座視せざるを得なくなれば、善意の相互依存ネットワークが部分的にせよ切れるからだ。

日本の ODA 供与額は、最近 14 年間で半減した。 かつては世界一だったが、5 位に落ちた。

然も民主党政権は、インド洋での給油活動をやめる代りに、アフガニスタン一国に 5 年間 50 億ドルの大盤振る舞いを約束した。

このために他の国に使えるお金は減った。

それを更に削る。 復興のための ODA 削減は、背に腹は代えられぬようにもみえる。 が、本当か。

国内で支出する予算は関係者が多く、減らし難い。 ODA は遠い外国相手だから減らせる。

易きを選んだだけではないのか。

今必要なのは、やせ我慢だろう。

個々人は既に実践している。 例えば 「貧者の一灯」 の義援金である。 「貧者の、仮令僅かではあっても、真心の籠った寄進」 (広辞苑) だ。

真心は額ではない。 月給 10 万円の人と 100 万円の人では同じ 1 万円でも意味が違う。

それぞれの人の懐にとって少し痛い額が、適正額だろう。 その痛みに耐える気持ちこそが真心であり、やせ我慢だ。

膨大な額の義援金は、個々人のやせ我慢の集積である。

個人が出来るやせ我慢を国単位では、なぜ出来ないのか。

国内で使う予算を減らせれば、外国に累を及ぼさずに、復興資金を捻り出せる。

やせ我慢は武士道精神であり、人の品格に関る。 国にそれができず ODA に手を付ければ、国の品格が疑われる。

品格と言えば、母親から巨額の子ども手当を貰い続けた前首相がいた。

贈与税 6 億円を納め、時効となった 02、03 年分の計 1 億 3 千万円を還付された。

「友愛」 を説く彼は、これを義援金にしただろうか。

以上が記事 「風見鶏」 の全文である.

私のブログ 「健康小話」 でも, 失礼を顧みず, 4 月 4 日に 「拝啓, 鳩山前総理大臣ドノ」 と題して以降, 計 6 回にわたって鳩山サンにご見解を質してきた.

巷の一鍼灸師の言葉など, 歯牙にもかけて戴けないとは充分承知してはいるものの, 私の診立てでは, 鳩山サンや小沢サン, そして菅サンなどの 「精神の在り様」 は 「党内権力抗争に明け暮れ」, 政治資金を含めて, 「金に対する感覚が麻痺」 してしまっていると思わざるを得ないからである.

引用した伊奈特別編集委員の記事の最後には, 4/4 付の私のブログで述べた, 鳩山サンに対する私の想いと全く同じ事が指摘されている.

元々, 脱税としか言い様のない, おかあさまからの巨額の 「子供手当」 に対する贈与税の還付金 1 億 3 千万円は, 「時効」 の理由で返還されたのである.

きちんと収めておれば, 還付される事は決してなかった 「不浄」 の金なのだ. 脱税が, 滞納による時効成立で還付されるなどとは, 一般庶民としては, 釈然としないものを感ずるのである.

この様な常識的な認識をお持ちであれば, 率先して 「義捐金」 として寄付してこそ, "Statesman" と言える. いや, 政治家以前の, 人間としての品格の問題であろう.

小沢サン然り, 菅サン然り, そして, 他にも沢山いる 「政治屋」 のみなさんも然り.

Have a nice day!
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