放射線被曝量と発癌リスク2011/04/28 03:17

国立がん研究センターの発表によると, 健康に影響が出るとされる 100 ミリシーベルト程度, 放射線を浴びた場合でも, 癌の発生するリスクは, 受動喫煙や野菜不足並みに止まることが, 判ったと言う.

また, この被曝量の発癌リスクは, 肥満や大量の飲酒, 喫煙に比べると低いレベルであるとの事.

低線量の放射線による健康への影響を考えるうえで, 一つの目安となりそうだ.

広島, 長崎の原子爆弾で被爆した人のうち, 約 4 万 4000 人が, その後, どの程度の割合で肺癌などを発症したか, を長期間にわたって追跡調査した 「放射線影響研究所」 などの論文と, 国立がん研究センターなどが実施してきた, 生活習慣によるがん発生リスクの疫学研究とを, 同センターの津金 昌一郎・予防研究部長らが比較検討した結果, 判明したとの由である.

原爆で 100 ミリシーベルト - 200 ミリシーベルトの放射線を浴びた集団は, 浴びていない集団に比べて癌になるリスクが 1.08 倍だった.

このリスクレベルは, 生活習慣によるリスクと比較すると, 1 日 1 箱. たばこを吸う夫を持つ妻が受動喫煙で癌になるリスク (夫が禁煙の妻と比較して 1.02 - 1.03 倍) や野菜嫌いな人のリスク (野菜を食べる人と比較して 1.06 倍) よりも僅かに高い程度だった.

一方, 肥満や運動不足, 塩分の取り過ぎなどで癌を発症するリスクは, 1.1 - 1.2 倍程度で, 放射線を 100 ミリシーベルト - 200 ミリシーベルトを浴びた場合よりも高いレベルにあると言う.

また, 男性の喫煙者は, たばこを吸わない人よりも 1.6 倍, 癌になり易い.

このリスクレベルは, 放射線の被曝量でみると 2000 ミリシーベルト以上浴びた場合のリスクとほぼ同じだという.

津金部長は 「癌は様々な要因が複雑に絡み合って発症する. 放射線リスクだけを気にし過ぎない様にして欲しい」 と話しているとの事.

放射線被曝は, 目に見えないだけに, 漠然とした不安を払拭し難いが, 受動喫煙の場合のリスクレベル相当が 100 ミリシーベルト, 喫煙の場合のリスクレベルに相当するのが 2000 ミリシーベルトと覚えておくと, 日常生活を送る上での参考になる.

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