アップル創業者 Steve Jobs, 自らの癌に 「鍼治療」2012/02/10 03:39

昨年 10 月 23 日付本ブログ 「誰か別の人の人生」 で, IT 業界のカリスマ経営者だった Steve Jobs の人生について触れた.

その Jobs は, 2003 年, 膵臓癌と診断され, 長い闘病生活を経て, 昨年 10 月 5 日, 多くの人に惜しまれながらも, 56 歳の短い人生を駆け抜けて行った.

当初, 家族を初め, 周囲は Jobs にすぐに手術をうけるように忠告したが, 彼はこれを頑なに拒否し, 絶対菜食, 鍼治療, ハーブ療法, 心霊治療などをネットで探し, 民間療法などを用いて完治を図ろうとしていた.

この辺の経緯は, ベストセラーになった, Walter Isaacson 著 『スティーブ・ジョブズ I・II』 (井口 耕二 訳, 講談社) 他に詳しく紹介されている.

Jobs が亡くなった直後, 米国では, Jobs の行動は, やや行き過ぎた代替医療の信頼に基づくもの, との議論が巻き起こった様である.

然し, 例えば, 当時の米国の CNN の関連記事を読むと, Andrew Weis, Ph.D. などは, 鍼治療や湯液治療との統合医療による癌治療について, 次の様に寄稿している.

癌治療に用いられる鍼治療や湯液治療は, 手術などの適切な現代医療を受けた上で, 患者の QOL (生活の質) を向上させる相補の役割として用いられるべきである, と.

また, 著者の Isaacson は, 「米国の多くの人が, 現代医療ではなく, 代替医療に託す傾向が増しているのは, 理解できる部分がある」 と述べている.

その理由として, 「米国における現代の医学や医療サービスが, 科学や経済原則を尊重するあまり, 多くの患者の期待に応えきれていない」 事を挙げている.

患者が望むのは, 病気だけでなく, 病気を持った人に寄り添う気持ちであったり, 薬物によって惹き起される身体の不自然な反応に対する不安のない医療であったり, と, まさに鍼治療などの代替医療が提供している医療である, とも述べている.

東洋医学は, 単に, 病気を診るのではなく, 病人を診るべし, と教えられて来た.

「初心忘るべからず」 とは世阿弥の言葉であるが, 「全人医療」 を目指すべし, との東洋医学の基本精神を忘れてはならないであろう.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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