「気」 とは何か? (3)2012/03/17 04:03

我々, 鍼灸師仲間では, 患者さんから 「邪気を貰わないよう」 に気を付けろ, と言われている.

ともすると, 施術により, 患者さんから病気の原因である 「邪気」 を貰って自分も病気になってしまう訳である.

となれば, 患者さんに対して, 自分から 「元気を送る」 事も可能な訳である.

攻撃は最大の防禦なり, ではないが, そうする事で, 患者さんから 「邪気」 を貰う事を防げる事にもなる.

確か, 川端 康成の 「美しさと哀しみと」 という小説だったか, 「山の音」 だったか定かではないのだが, 高齢となった主人公が, 若くて美しい娘と添い寝をする事で 「生命力 (気)」 を貰うと言う場面があった様に記憶している.

川端 康成自身もこの様な 「気」 の力を感じ取っていたに違いない.

かつて, 本ブログで西野流呼吸法なるものを採り上げた事がある. 西野流呼吸法を生み出した西野 皓三氏は, 凄まじいほどの 「気」 を発揮する事で知られている.

とにかく, 掌を翳して, 気を相手に送るだけで, 手を触れることなく倒してしまうのである.

また, 以前会社勤めをしていた頃, 或る上司は, 朝出社して部屋に入ってくる瞬間に, その日の機嫌が見て取れたものだ.

その日, その日の 「気」 の在り様が一目で悟られてしまう, 非常に気難しい上司ではあった..

この上司の場合は, 大抵の場合, 明らかに 「邪気」 を発揮していたのである.

顏は一見笑っている様に見えるが, 眼は決して笑ってなどいなかったのである. 悪いオーラ (邪気) を周囲に振り撒いていた典型である.

我々鍼灸師や按摩・マッサージ・指圧師の場合は, 患者さんの身体に直接触れて患者さんとのコミュニケーションを取っている.

詰り, そうする事で, 患者さんと 「対話」 をしているのである.

処で, 人の 「気」 は何処から産まれてくるのだろうか?

東洋医学では, 「中焦 (チュウショウ)」 と言って, 臍の直ぐ上の辺りに位置する 「水分」 穴 (ツボ) 付近 (臍上一寸) から, と言われている.

何か重大な決断を求められて, 「ヨシ! やるゾ!」 と覚悟する事を, 「肚を決める」 とも言うが, 丁度, その辺りから 「気 (生命エネルギー)」 が湧き上がってくるからである.

また, 「臍下丹田 (セイカタンデン) に力を入れる」 とも良く言われる処である.

臍下丹田とは, 経絡で言うと 「関元」 (臍の下三寸) と言う穴 (ツボ) の辺りを指す.

最後に, 私の母が体験した事であるが, 母が娘時代, 夜, 実家の台所の扉の外に 「人の気配」 を感じた事があった.

それで, ソーッと扉を開けてみると, そこに実際に知らない男が立っていて, 男は慌てて逃げ去ったと言うのである.

母は繰返し, その時の怖かった想いを語っていたが, その時, 母は間違いなく, 人の 「気」 を察したのである.

「気」 は容 (カタチ) を取らないが, 確かに存在する事を誰も否定できないのではないだろうか?

Have a nice weekend!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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