自分と対峙する事の難しさ2012/06/06 02:48

人間の心には, "意識の領域" と "無意識の領域" とが併存している.

けれども, 人間が自分自身について意識できている部分は, 氷山の一角に過ぎない, とされている.

無意識の領域とは, 謂わば, 海面下に沈んでいる部分であると言える.

言い換えれば, 無意識の領域の方が, 意識化出来ている領域よりも大きいと考えられているのである.

自分自身と向き合う事は, その海面下に隠れている自分を見詰める事を意味する事になる.

普段は意識していない心の領域に対峙する事によって, 自分が抱えている悩みや, 落ち込んだ気分, 仕事上の失敗などと言った問題の原因に気付く事が多い.

トラブルの原因は, 大抵の場合, 無意識の中に潜んでいるものだからである.

自分と向き合う事で, 漠然としていた, 自分の短所や長所が明確になり, より能力を発揮するには, 何処を伸ばし, 何を克服すれば良いかが解って来る.

自分と向き合う作業は, また, 職場におけるコミュニケーションの問題の改善にも繋がる.

人の心のメカニズムは或る程度共通しているので, 自分の心を観察する事で他人の心を類推できるようになるからである.

然し, 自分を深く知る作業は必ずしも簡単なものではない. それを妨げる心の働きがあるからである.

それを心理学では 「防衛機制」 と呼んでいる.

例えば, 事実をなかった事にする 「抑圧 ([仕事をサボっているのが事実なのに], 私はサボっていない)」, 自分には非がないと思い込む 「合理化 (自分は悪くない. 悪いのは私だけじゃない)」, 事実を過小評価する 「否認 (私独りがサボっても大した問題じゃない)」, 自分の考えを他人のものだと思い込む 「投影 (上司は私がサボっていると思っているに違いない)」 などが 「防衛機制」 に含まれる心の動きである.

この様な 「防御機制」 がある為に, 人は自分の欠点や弱さをなかなか認める事が出来ないのである.

尤も, 自分の弱さや過ちを, 一々事細かに気にしていたのでは, 前向きに生きて行く事が出来ないのも事実である.

それ故, 「防衛機制」 は, 自分を知ることを妨げる働きであると同時に, それほど落込まずに日々生きて行く事を可能にする "安全弁" としても働いているのである.

自分と向かい合う事によって, 自分の弱さだけが炙り出され, それが自己否定に結び付いてしまっては, 元も子もない.

大切なのは, 自分の弱さを知った上で, 「人間には短所もあるけれど, 長所もある」 「人生には失敗もあれば, 成功もある」 「人生は須らく七転び八起である」 と考えて, 自分を肯定する事なのである.

そうする事が出来て, 初めて, 自分をより深く理解でき, 自分と言う存在自体を容認出来る様になり, 結果として, 自分の人間的成長に結びつける事が出来るのである.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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