自ら学び, 育ってこそ2012/07/01 02:42

もう数年に亘るかと思うが, 野球評論家の豊田 康光氏が, 日経朝刊のスポーツ欄にコラムを連載している.

過日は, こんなエッセーを載せていた.

キャンプインの報が届くと, 若かりし頃のキャンプの思い出が蘇ってくる.

坂の上にあった球場まで, ボールやバットなどの用具を担いで登ると, もうへとへと. これではただの雑用係, いつになれば野球をさせて貰えるのか, と思うばかりの日々だった.

新人は選手というより先輩の付け人, 練習台で, 毎日打撃投手をさせられた稲尾 和久が 「ただの使役だ」 と回想している通り. 使役は 「使いっ走り」 とでも言い換えないと, 今どき分らないかもしれない.

新人をこき使いながら, ぬくぬくとやっている先輩たちを憎く思った.

今ではパワーハラスメントに該当して, みんなクビが飛ぶだろう.

だが, あれで人生を勝ち抜くための力が備わったのも確か.

どうせ命じられるなら, 先輩に言われる前に, スパイクを磨いておこう. クリームは自腹だ.

すると相手も鬼ではないから, 懸命なのを認めて可愛がってくれる人も出てくる.

人の胸に飛び込むコツが解ってくる.

ボール集めもそう. 球場奥のやぶ深く打ち込まれた打球の最後の 1 個まで拾い, 数が合わないと先輩やマネジャーが帰してくれない.

ボールは貴重品だった. ならばと, 投手陣の練習ボールのこぼれ球などを拾って適当な所に隠しておき, 何時でも 「ありました」 と言えるようにしておく. そんな知恵もついた.

手取り足取り教えてくれるような先輩ばかりでは, 今の私はなかった.

コーチ時代の経験も含めて言うと, 伸びるやつは勝手に学び, ひとりでに育つものだ.

教えられて伸びるやつはまずいない.

昔の突き放したやり方は随分乱暴だけれど, 個人の才覚を自然と引き出していた.

同時に, 人間トータルの器を測るテストになっていた.

理不尽な関門とはいえ, そこを潜り抜けた者は確かにレギュラーを取っていた.

プロには 「教える」 「育てる」 はない. 「学ぶ」 と 「育つ」 があるのみ.

何でも自分で考え, 実践しなくては. プロの一歩を踏み出す新人たちに, その覚悟をしておいて欲しい.

私如きが申し上げるのは甚だ僭越の極みではあるが, 昨今の豊田氏のエッセーには "光るもの" が度々感じられる様になった.

「伸びるやつは勝手に学び, ひとりでに育つものだ」 と言う彼の指摘には全く同感である.

これは何もプロに限った事ではない. 人生総ての局面に通ずるものであろう.

母親が, 我が子に対して 「勉強しなさい!」 と口喧しく言おうと, 勉強しないやつはしない.

要は, 勉強したくなる様な環境づくりこそが大切なのであって, 出来る子は, 自ら考え, 自ら学びとるのである.

然らば, 子どもの教育とは, 如何あるべきか?

換言すれば, 知識を与える事も勿論, それなりに欠かせないが, "知恵" を働かせる習慣付けを行う事が Key Point なのである.

Have a nice weekend!
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