顎関節症2012/08/31 03:31

顎関節症は, 一生に, 2 人に 1 人は経験すると言われている疾患である.

けれども, その実態は未だ充分には解明されていないのである.

主たる症状としては, 「関節雑音」, 「機能時痛」, 「開口障害」 の 3 つが挙げられる.

先ず, 関節雑音とは, カクカク, コキコキ, パキン, コキンと言った, 関節内部の貫節円板の変形による "クリック音" と, ザラザラ, ゴソゴソ, ギシギシと言った貫節面の摩擦による "クレピタス音"とがある.

次に, 機能時痛とは, 口を開いたり, 食べ物を咀嚼すると言った活動時に生ずる, どちらかと言えば 「鈍い痛み」 である. 従って活動を止めると痛みは消える.

最後の, 開口障害とは, 痛みなどで口が開け難くなる症状で, 例えば, 関節円板の変形など, 関節自体に原因があったり, 顎を動かす筋肉に起因したりする事が多い様だ.

従来は, 顎関節症は, 歯の噛み合せが悪いのが原因, と言われて来た.

然し, 昨今は, それだけではなく, 顎関節や筋肉の構造的弱さ, 精神的な緊張・不安・抑鬱, 咬み違い, 打撲, 転倒, 交通外傷などの他, 様々な生活習慣や行動など, 多くの要因が絡み合って生ずる 「多因子病因説」 が有力になっている様だ.

最近明らかになった或る調査では, 「上下歯列接触癖 (Tooth Contacting Habit = TCH)」 の影響が大きい事が判ったと言う.

何と, 顎関節の痛みを訴える来院患者の 7 割にも及んだとの事.

一方, 顎関節症は, 痛みがどんどん悪化するする事は希で, 一定期間を経過すると痛みが消退してしまう事も少なくない.

従って, 1 週間程度は様子を見て, 痛みが消退せず, 悪化する様であれば, 歯科医に診て貰う事でも遅くはない.

かつては, 歯を削って噛み合せを調整したり, 口にマウスピースを入れて, 噛み合せを調整したり, と言った治療が行われたものである.

然し, 最新の治療では, TCH の是正や, 関節の可動域を増加させるためのリハビリが主体になって来ている様で, 歯科医の指導の下に, 患者自らが自宅で出来る "セルフケア" が重要になっていると言う.

TCH の是正には, 「行動変容法」 と言う, 応用心理学で開発された行動療法が用いられている.

具体的には, 例えば, 家中の壁に 「ダラーっと顎の力を抜く」 と言った貼り紙をしておき, 目に付く度に顎の力を抜く, と言う行動を繰返すのである.

こうして, 悪癖から抜出す事ができる様になると言う.

もう一つの, 関節可動域を広げるリハビリとは, 多少の痛みはあるものの, それに耐えて, 口を開けるトレーニングをするのである.

手術まで必要になる顎関節症の患者は 1000 人に 1 人もいない, と言うのが昨今の定説だと言う.

また, 上記の自己改善策を行う事で, 高額なマウスピースや歯列矯正治療も, 不要になるとされている.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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