健康小話

不幸にして, 手足を切断しなければならない程の大きな交通事故などに遭ってしまうｹｰｽが少なくない.

不思議な事に, 切断して失ってしまった筈の手足の痛みを訴える患者さんが多い.

この様な症状を 「幻視痛 (Phantom Limb Pain)」 と呼んでいる.

この程, 東京女子医科大の宮田 麻理子教授らは, この 「幻肢痛」 が起きる仕組みの一部について, 解明したとの事.

研究ﾁｰﾑは, ﾏｳｽが周囲の知覚に使うﾋｹﾞの感覚神経を切断し, 脳内の神経細胞が変化する様子を特殊な方法で調べたと言う.

すると, 切断後 6 日目から神経回路の組み替えが始まる事が確認出来たとの事.

国内で事故や病気などで手や足を失う人は年間約 5000 人おり, 50 - 80% で幻肢痛の症状が現れるとされる.

手や足の切断後に, 神経回路が変化することが原因といわれているものの, 詳細なﾒｶﾆｽﾞﾑは分っていなかったのである.

宮田教授は, 「幻視痛には, 鎮痛剤は効かず, 効果的な治療法はないため, 有効な治療法の開発に繋げたい」 と期待している様だ.

処で, 「幻視痛」 については, 既に本ﾌﾞﾛｸﾞ (「幻視痛と東洋医学 : 痛いの痛いの飛んでけえ」) で述べた様に, 「効果的な治療法」 は存在するのである.

人口に膾炙しているとは言えないが, 鍼灸でこの幻視痛を除去する事が出来るのである.

繰返しになるが, 例えば, 切断した右手に幻視痛を訴える患者の場合, 健在な左手の経穴 (ﾂﾎﾞ) に鍼灸の施術を行うのである.

東洋医学の古くて新しい不思議の一つと言える.

Have a nice day!
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