院内感染を防ぐ抗菌物質2013/02/11 02:14

時々, 入院中の患者さんが 「院内感染」 で死亡すると言う痛ましい事件が報道される.

処で, 近畿大学の内海 龍太郎教授や大阪大学の岡島 俊英准教授らは, 院内感染の原因となる 「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)」 などに効果が高い抗菌物質の開発に成功した, と過日発表されている.

従来とは異なり, 細菌の複数の部分を攻撃するため, 抗菌剤が効かなくなる耐性菌の問題が起き難いとの事.

残念ながら, 実用化には 10 年程度かかる見通しの様だが, 研究チームでは, 様々な種類の細菌に効果があるとみている由.

当該研究には, 財団法人・微生物化学研究会も参加していると言う.

細菌の表面には, 温度や塩分などを感じるセンサー役の蛋白質がある.

ここから得た情報を基に, 細菌の遺伝子は指令を出して増殖する, とされているが, この分子は複数種類あり, 殆どの細菌が持っているものらしい.

研究チームは, 土壌に住む細菌が作る有機物から抗菌成分を見付けたとの事.

多くのセンサー役の蛋白質に共通する分子構造の部分に取り付き, 耐性菌の増殖を抑える働きを有していると言う.

因みに, MRSA に与えると, 増殖しなくなり, 耐性菌も出てこなかった.

また, バンコマイシン耐性腸球菌 (VRE) にも効果があったとの事.

有効な抗菌剤が見付かっていなかった院内感染は, 病院としては厄介な問題の一つで, 実用化されれば, 院内感染による死亡を減らす事が出来る筈だ.

この抗菌物質は院内感染のみならず, 活用法が広がりそうな気がするのであるが, 10 年とは言わず, もっと短期間で実用化される方策はないものであろうか? 

Have a nice holiday!
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