クローズアップ現代2013/04/17 02:53

私は, テレビ番組は余り視ない. と言うより, 余り視ている時間がない.

テレビは, 一度見始めると, ついダラダラと長時間見るハメに陥り易いから, と言う事もある.

然し, 必ず見るのは, ニュースや天気予報であるが, NHK の 「クローズアップ現代」 は好きで, 結構良く視ている.

時折, 「NHK スペシャル」 も興味あるテーマは視ている.

「クローズアップ現代」 のレギュラーキャスターは国谷 裕子さんであるが, これだけの才女はどの様なバックグラウンドを持っているのだろうか, と言う長年の疑問の一部が解けたのである.

後藤 正治と言うノンフィクション作家がいるが, その後藤氏が 「クローズアップ現代」 のキャスターを務めている国谷 裕子さんを "意思と慎みを備えたキャスター" として次の様に採り上げている (日経日曜版 「一言の余韻」).

テレビを見る事が減っているが, NHK の 「クローズアップ現代」 はよく見る.

現代の様々な問題を俎上に載せ, 噛み砕いて伝えてくれる. 取材が行き届いている. それにキャスター国谷 裕子氏の存在がある.

自分を押し出すキャスターが多いなかで, 彼女の立ち位置は控え目だ. それでいて確かな存在感がある. この人の芯にあるものは何だろう...

そんな思いに駆られ, 数年前, 人物ノンフィクションを書いた.

画像に映る国谷のイメージは, 生真面目, 明晰, 上品, バランス感覚...と言ったものであるが, 素顔の彼女は存外と可愛げのある人だった.

父は銀行員で海外勤務が長く, アメリカ - 大阪 - 香港 - 東京と転々とする. 大学はアメリカ東部のブラウン大学.

アメリカは自身の意思を言葉で伝える. 或いは伝えねばならない社会である. 教室でも学生は常に意見を求められる. 日本流の "以心伝心" はない.

こういうアメリカ流が国谷は苦手であった. 物怖じはしないが, 常に前に出てモノを言うタイプではない.

長く海外に暮しつつ, 資質的にはシャイで日本的な人である様に私には思えた.

特にジャーナリスト志望ではなく, 一時期, 外資系企業でマーケティングの仕事をしている.

「自分探しに手間取り」, バックパックを背に世界を旅した日もあった.

NHK が二ヶ国語放送を始めた際に誘われ, 東京とニューヨークで番組づくりに関る. その後, 夜 9 時台のニュース番組国際部門のサブキャスターへ.

という来歴だけ追えば華麗であるが, サブキャスターは間もなく降板となり, 挫折を味わう.

「このままじゃ終れない」...親しい友人にそんな言葉を残している. 根に負けず嫌いを秘めていた.

草創期の衛星放送 (BS) でキャリアを積み, 1993 年に発足した 「クローズアップ現代」 キャスターに抜擢される.

今や長寿の報道番組となったが, NHK の関係者は異口同音に, 彼女でなければこんなに続く事はなかったろうという. とりもなおさず番組に視聴者の支持があったからである.

時折, 京都の実家に帰る時も, 国谷の手にする紙袋は翌週番組の関連資料や本で一杯に詰まっている.

キャスター像を磨いたのは日々の努力の積み重ねであったろう.

お手本にする様な放送人はいますかと問うと, テッド・コペルという名前を挙げた.

ABC の報道番組 「ナイトライン」 で四半世紀に亘ってキャスターを務めた. 70 代半ばで番組を退いたが, アメリカの良識とも謳われてきた.

国谷が初めてコペルの番組を見たのは大学時代で, イラン大使館の占拠人質事件を連夜取り上げていた.

コペルのゲストへのインタビューに容赦はないが, 引っ掛け的なものはない.

各界の要人は, 番組に呼ばれると先ず断らない. 断る事は何か疾しい事を抱えていると告げる事になるからだ.

後年, 国谷はコペルに会う日もあったが, ジャーナリズムは権力のチェックを担うという使命感, そしてどの様な人物であれフェアに立ち向かう精神が伝わってくる人だった.

自身もフェアでありたい...国谷の口から何度か聞かれた言葉である.

対象に切り込むアメリカ的ジャーナリズム, 本質に肉薄せんとする意思力, そして慎みという日本的な気質がミックスされて, 静かな, それでいて固有の個性を持ったキャスター像が作られている様に思える.

...この原稿を書いていた日のテーマは 「転機の警察捜査」.

街にこんなにも多くの防犯カメラが設置されている事に驚く. アメリカ流の通信傍受の導入も検討されているとか. 変容する社会に対応せんとする警察捜査の最前線とその問題点が伝わってくる.

捜査という立場と市民社会の戸惑い. 視点は複眼的だ.

フェアであるとは, 異なる意見, 少数意見への寛容さであり, それが社会にとって大切だという認識でもあろう.

そういう目線はこの日の番組でも感じられた. 今, 信頼を寄せうる報道番組は少ない.

ジャーナリズムに関る仲間の一人として言えば, この先更に長く番組を続けて行って欲しい. コペルの記録を破るほどに。

後藤氏は以上の様に述べているが, 私が常日頃, 国谷キャスターについて抱いていた疑問に答えて呉れるものが多かったのである.

この種の番組として大事なのは, フェアである事, その為には複眼的である事なのだ.

そして, 才女国谷キャスターにして, やはり "努力の人" であったのだ. 

"時折, 京都の実家に帰る時も, 国谷の手にする紙袋は翌週番組の関連資料や本で一杯に詰まっている" と言う記述に納得が行ったのである.

Have a nice day!
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