伝統医学の新たな拠点に! ― 2013/04/20 03:16
福島県会津若松市に, 来月 5 月に 「福島県立医大 会津医療ｾﾝﾀｰ」 が開院するが, ここで漢方診療の責任者を担うのが三潴 忠道 (ﾐﾂﾏ ﾀﾀﾞﾐﾁ) 教授である.
三潴先生は 「被災者の心と体を漢方や鍼灸で元気にしたい」 と考えており, 専門家の育成ｼｽﾃﾑを構築する計画の他, 難病治療への活用など, "伝統医学の新たな可能性を探る" 試みに意欲を燃やしていると言う.
漢方は, 煎じた生薬や製剤など, 薬を使う 「湯液」 が一般的に知られている.
全身や心のﾊﾞﾗﾝｽに重きを置く診療が特徴で, 機能や部位ごとに専門化が進む現代の西洋医学とは対照的と言える.
「異なる視点から診る事で選択肢が増え, 患者が求める医療を提供できる」 と 「東西連携」 の意義を強調している.
漢方との出合いは, 病弱だった幼少時代に遡ると言う.
掛かり付け医と湯液に救われ, 医師への憧れと漢方への関心が芽生えたのがきっかけらしい.
進学した千葉大医学部では東洋医学研究会に所属. 富山医科薬科大 (現富山大) 病院 (富山市) や飯塚病院 (福岡県飯塚市) で漢方専門の診療などに当ってきた経歴を持つ.
2010 年, 漢方科新設を目指す会津医療ｾﾝﾀｰから協力依頼が舞い込み, 「最前線で働ける最後のﾁｬﾝｽを貰えた」 と快諾したと言う.
処が, 教授就任を間近に控えた 2011 年 3 月 11 日, 東日本大震災が発生.
4 月上旬に訪れた会津若松市では, 東京電力福島第 1 原子力発電所事故の風評被害などで, 重苦しい空気に満ちていたと言う.
「心と体が不安定になった被災者を, 漢方の力で癒やす. これは天命だと思った」 と三潴先生.
避難者が空室を待つ賃貸物件の入居を諦め, 借金して一戸建てを購入. 九州から妻と移り住み, 開設準備に奔走する日々を過ごしたらしい.
開設後は湯液に詳しい医師 4 人らが診療を担当. 湯液だけではなく, 鍼や温めたﾓｸﾞｻを使う鍼灸を通じて, 外来は勿論. 治療対象から外されがちな重症, 難病患者などの入院治療にも向き合う心算だ.と言う
尤も, 漢方で有効とされる生薬は価格が高いうえ, 鍼灸は保険適用の範囲が狭いなど普及の壁は少なくない.
「世界の注目を集める福島から漢方診療を発信し, 漢方の未来を開くだけではなく, 復興にも役立てばいい」 と話している.
湯液と鍼灸は漢方診療の両輪的な存在で, 東洋医学科では, 刻み生薬を用いた本来の漢方診療, 種々の鍼を用いた本格的な鍼灸診療を実行し, 重症患者や難治性疾患に対して, 外来はもちろん入院診療まで一貫して責任を持つ漢方診療を目指しているとの由.
これまで, 明治維新以来, 東洋医学は国の政策として蔑にされて来たのであるが, 今後は, 東洋医学が復権してくる兆しが感じられるのは嬉しい限りである.
東洋医学に携わる者の一人としては, 東洋医学の素晴しさ, 奥深さをもっと多くの人に知って戴きたいと願っている.
福島県立医大会津医療ｾﾝﾀｰがその嚆矢となっている様に思うのである.
Have a nice weekend!
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・この 「健康小話」 のﾌﾞﾛｸﾞは, はり･きゅう･ﾏｯｻｰｼﾞ ﾄﾐｲ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のﾌﾞﾛｸﾞです.
・鍼･灸･ﾏｯｻｰｼﾞ･按摩･指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
･なお, 診療予約時, 「このﾌﾞﾛｸﾞを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
･往診も承っております.
･心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp)
･English speaking clients are welcomed!
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三潴先生は 「被災者の心と体を漢方や鍼灸で元気にしたい」 と考えており, 専門家の育成ｼｽﾃﾑを構築する計画の他, 難病治療への活用など, "伝統医学の新たな可能性を探る" 試みに意欲を燃やしていると言う.
漢方は, 煎じた生薬や製剤など, 薬を使う 「湯液」 が一般的に知られている.
全身や心のﾊﾞﾗﾝｽに重きを置く診療が特徴で, 機能や部位ごとに専門化が進む現代の西洋医学とは対照的と言える.
「異なる視点から診る事で選択肢が増え, 患者が求める医療を提供できる」 と 「東西連携」 の意義を強調している.
漢方との出合いは, 病弱だった幼少時代に遡ると言う.
掛かり付け医と湯液に救われ, 医師への憧れと漢方への関心が芽生えたのがきっかけらしい.
進学した千葉大医学部では東洋医学研究会に所属. 富山医科薬科大 (現富山大) 病院 (富山市) や飯塚病院 (福岡県飯塚市) で漢方専門の診療などに当ってきた経歴を持つ.
2010 年, 漢方科新設を目指す会津医療ｾﾝﾀｰから協力依頼が舞い込み, 「最前線で働ける最後のﾁｬﾝｽを貰えた」 と快諾したと言う.
処が, 教授就任を間近に控えた 2011 年 3 月 11 日, 東日本大震災が発生.
4 月上旬に訪れた会津若松市では, 東京電力福島第 1 原子力発電所事故の風評被害などで, 重苦しい空気に満ちていたと言う.
「心と体が不安定になった被災者を, 漢方の力で癒やす. これは天命だと思った」 と三潴先生.
避難者が空室を待つ賃貸物件の入居を諦め, 借金して一戸建てを購入. 九州から妻と移り住み, 開設準備に奔走する日々を過ごしたらしい.
開設後は湯液に詳しい医師 4 人らが診療を担当. 湯液だけではなく, 鍼や温めたﾓｸﾞｻを使う鍼灸を通じて, 外来は勿論. 治療対象から外されがちな重症, 難病患者などの入院治療にも向き合う心算だ.と言う
尤も, 漢方で有効とされる生薬は価格が高いうえ, 鍼灸は保険適用の範囲が狭いなど普及の壁は少なくない.
「世界の注目を集める福島から漢方診療を発信し, 漢方の未来を開くだけではなく, 復興にも役立てばいい」 と話している.
湯液と鍼灸は漢方診療の両輪的な存在で, 東洋医学科では, 刻み生薬を用いた本来の漢方診療, 種々の鍼を用いた本格的な鍼灸診療を実行し, 重症患者や難治性疾患に対して, 外来はもちろん入院診療まで一貫して責任を持つ漢方診療を目指しているとの由.
これまで, 明治維新以来, 東洋医学は国の政策として蔑にされて来たのであるが, 今後は, 東洋医学が復権してくる兆しが感じられるのは嬉しい限りである.
東洋医学に携わる者の一人としては, 東洋医学の素晴しさ, 奥深さをもっと多くの人に知って戴きたいと願っている.
福島県立医大会津医療ｾﾝﾀｰがその嚆矢となっている様に思うのである.
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