細胞の寿命を司る 「テロメア」 (2)2013/06/17 02:40

細胞の寿命を決めるテロメアは人間の病気や健康にも大きく影響する.

テロメアは塩基と呼ぶ物質が並んだもので, 細胞が分裂する度に短くなる.

皮膚や臓器が病気に冒されると, 老化が進んで健康寿命を縮める. 再生するために, 細胞が分裂し, 時計の針を進める事になるからだ.

これを防ぐには, ありきたりだが "健康的な生活を送る" 事が良い様だ.

普段, 殆ど運動をしていない人や, たばこを多く吸う人は, テロメアが短いという海外の研究がある.

ストレスが高まるのは勿論, 食べ過ぎて血圧が上がったり, 生活習慣病になったりする事も良くない.

(中略)

そのテロメアがある程度まで短くなると, 糖尿病になり易くなるのではないか, と (女子栄養大学の) 香川副学長は考えている.

最近, テロメアの長さに悪影響を及ぼす要素の一つとして, 活性酸素が挙げられている.

活性酸素の働きは, よく 「細胞を錆びさせる」 と例えられるが, テロメアも攻撃して傷つけ, 短縮を促している事が分ってきた.

活性酸素は, ストレスや喫煙, 紫外線などの刺激, 激しい運動で, 体内の酸素の一部が変化して発生する.

正常な細胞の遺伝子を傷付けて癌化させたり, コレステロールが血管の壁に貼り付くのを促して動脈硬化を進めたりする.

普通は体内にある抗酸化酵素によって処理されるが, 食生活の乱れや大量の飲酒, 喫煙などの影響で発生量が増えると消えずに残る.

それを防ぐのもまた健康的な生活だと言えよう.

以上, 2 回に亘って紹介した, 中村先生の 「今どき健康学」 を読んでみても, 「規則正しい生活」, 「バランスの取れた食生活」 と言った, 昔から言われ尽くされて来た "常識" とも言える事こそ, 健康の維持・向上の基本である事が理解出来るのである

不老長寿に秘策はない, と言う事であろうか.

<本日のカット写真 (ウグイス) 提供 : 下平 宏 氏>

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