会社興しの人材活用法? (3)2013/07/08 02:35

ルイスが, アスレチックスの取材を進めて行く中で見たものは, 「捨て身の戦略」 や, 理屈では説明が付かない 「奇跡の物語」 では決してなかったのである.

アスレチックスのゼネラルマネジャー (GM), ビリー・ビーンのもとで進行していたのは, 戦法とチーム編成の 「イノベーション」 と 「球団組織の変革の物語」 だったと言う.

まさに今, デフレ脱却に悩む, 日本の多くの企業に求められている "イノベーションと組織変革" そのものであったのだ.

具体的に一例を挙げるならば, 2002 年の米大リーグのドラフト会議ほど, アスレチックスの "人材戦略" の独自性を物語るものはないであろう.

大リーグのドラフト会議では, 30 球団が希望の選手を順々に指名していくため, 採りたい選手が 20 人いたとしても, そのうち 3 人を獲得出来れば大成功と言われているらしい.

処が, アスレチックスは, 事前にリストアップした上位 20 人のうち, 13 人の獲得に成功していたのである.

なぜなら, 他球団と 「選手の評価軸」 が全く異なり, 指名が殆ど重ならなかったからである.

その象徴が, ブラウン選手だ.

スカウトの言葉を借りると 「ただの太ったキャッチャー」 で評価は 「下の下」.

処が, ビーン GM は 「四球が多いから」 を理由に獲得に動いたのである.

ブラウン選手の大学時代の成績は, 300 安打 200 四球. 四球の数が全米でトップの成績だったのだ.

その彼を獲得に動いた理由はこうだ.

ビーン GM は得点を奪うために, まず重要なのは 「出塁する事」 と考える.

安打であれ四球であれ, 出塁するという 「結果」 と得点への貢献度は同じであり, 然も, 四球の多い選手の方が高打率の選手よりも年俸は安くて済み, "費用対効果が高い" が故である.

同じ理由から, ハッテバーグ選手をオフに獲得している.

それまでのレッドソックスで捕手をしていたが, 肩を壊し, アスレチックスが一塁手への転身を条件に手を差し伸べのべたのである.

彼の 02 年の打率は 2 割 8 分と 3 割を超えるイチロー選手には見劣りするが, 四球を選ぶのが上手く, 出塁率はイチロー選手と遜色なかったのである.

打点も, 選手の評価に関しては重視されてきた指標であるが, 満塁ホームランの 4 打点はチームメートの出塁があってこそのものだ.

それ故, どこまでが 「個人の能力」 かは評価の分れる処でもある.

この様に, 斬新な視点に立った着想を経て, ビーン GM は, 出塁率に長打率を加味した新たな指標のもと, 選手たちを評価し直して行くのである.

ルイスの 『マネー・ボール』 は, よりよい人材評価の指標が組織強化の礎になる事を, アスレチックスのユニークとも言える球団経営を通じて検証した点が, 経営者層にも好んで読まれている理由であろう.

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