会社興しの人材活用法? (5)2013/07/10 03:20

ここでもう一つ注目しなければならない事実がある.

ビーン GM は組織の勝利を最優先し, 私情を挟む様な事は一切しなかったのである.

一例を挙げれば, 埋もれた才能を再発見する一方で, 後 4 日でメジャー 10 年に達し, 年金受給の資格を得られる選手を解雇する事も厭わなかった.

2002 年 9 月 4 日, ア・リーグ記録の 20 連勝が懸かった試合で, 11 対 0 のリードを追い付かれ, アスレチックスは浮足立ってしまう.

然し, 九回裏 1 死で, 引退の危機からビリーに救われたハッテバーグ選手が, 得意の選球眼で初球を見送った後の 2 球目をライトスタンドに叩き込んだのである.

外部の優れたアイデアを巧みに取り入れた改革が新たなヒーローを生んだのだ.

この様に, 企業経営を再生するヒントが, この本には様々な形で一杯詰まっているのであるが, アスレチックスにおける新たな野球理論の源流は, 食品工場の夜間警備員だったビル・ジェイムズが 1977 年に野球データを分析していた結果を纏めて自費出版した 『野球抄 1977』 に遡ると言う.

然し, 球界の外で生まれた 「革新的なアイディア」 は, 旧態依然とした米球界では, 当初見向きもされなかったのである.

95 年になって漸く転機が訪れる.

当時のアスレチックスの GM は弁護士出身のアンダーソンであったが, 彼は, ジェイムズの著作に親しみ, 球界に新風を吹き込みたいと考えていた.

けれども, 名監督と言われたラルーサが, 組織改革の壁となっていたのである.

然し, 同年の球団オーナーの死去と, 球団売却に伴う運営費削減などで, ラルーサが辞任した事から, アンダーソンは自らの意を汲んだハウ監督を招聘するに至った.

97 年に, アンダーソンの継承者としてビーンが GM に就任し, ビーン GM は 98 年のオフにハーバード大学出身のデポデスタを採用, 漸く改革がスタートする事になったのである.

デポデスタは当時最先端の AVM 社のシステムを導入し, 独自の選手評価を進めた.

球団売却を機に変革に弾みがつき, 人心の一新と異質の人材の融合を通して, 新しいアイデアの実現を見るに至ったのである.

さて, 先日の NHK のニュースによると, 未だに 「体罰は必要」 と頑なに信じている運動部の教師や監督は 10% 近くにも上っていると言う. 

恐らく, これら頭の固い指導者たちは, ビーン GM の採った 「核心的なアイデア」 を理解する事が出来ず, 選手は 「根性」 で育つ! とでも思っているのであろう.

会社に限らず, 組織集団に "革新 (イノベーション)" を齎すには, 指導者は, 組織を構成するメンバーの一人ひとりの "個性 (特長)" を如何に活かし, 伸ばして行くか? に腐心する事が大事である事を 『マネーボール』 は教えてくれる.

言うは易く, 行うは難し, であるけれども...

Have a nice day!
--------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.
・モニター希望者募集中. (詳細お問合せ下さい.)