シラスウナギの大量養殖技術2013/07/28 02:54

この程, ウナギの研究者や漁業関係者などで組織する東アジア鰻資源協議会などが都内でシンポジウムを開いている.

水産総合研究センター増養殖研究所の田中 秀樹グループ長は, 席上, ニホンウナギの稚魚 (シラスウナギ) の大量生産技術について, 「メス親約 4000 匹を飼育すれば, 今年の国内漁獲量に近い年間 5 トン程度のシラスウナギを生産できる」 との "理論上の試算" を示したと言う.

因みに, 田中グループ長らは, 2010 年に親ウナギの卵からシラスウナギまで育てる 「完全養殖」 を初めて成功させている.

とは言うものの, 現在の処, 孵化率は約 30%, 更に, エサを食べ始めた仔魚がシラスウナギになる割合は平均 5% との由.

これをもとに試算すると, メス親約 4000 匹から約 20 億個の受精卵を取ると, エサを食べ始める仔魚を 5 億匹作れる訳だ.

これで, 5 トンに相当する約 2500 万匹のシラスウナギが生産できる計算になると言う.

現実の問題として, 親の飼育は不可能ではないが, 5 億匹の仔魚を飼育・管理するには, 大掛りな飼育設備や体制が必要で, 商業生産に持って行くには, 更なる技術開発と工夫が必要になる.

現在, 同センターでは, 16 年度までに, 年間 1 万匹のシラスウナギを安定的に生産する技術開発を進めている段階だと言う.

今や, 絶滅危惧種にも指定され様かと言うニホンウナギ.

「完全養殖」 に成功したとは言え, 庶民の口に入るまでにはまだまだクリアせねばならない課題が多い.

Have a nice weekend!
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