(1302) 一向に前進しない 「混合診療」2013/09/18 05:07

混合診療とは, 文字通り, 保険診療と保険外診療 (自由診療) とを併用する事である.

然し, 現行の保険制度では, 原則禁止されているのである.

通常の場合, 健康保険が適用される診療内容に加えて, それ以外の保険外診療を受けると, 保険外診療分は勿論, 本来, 保険適用の筈の診療費や薬代など総ての費用が, 即ち, 掛かった費用の "全額" が患者の自己負担となってしまう.

混合診療は何故認められないのか? と言う素朴な疑問に対しての模範回答は 「混合診療を認めると, 富裕層しか良質の医療を受けられなくなるから」 と言うものである.

然し, これでは言わんとする意味が理解しがたいのではないだろうか? 私には幾ら考えてもその理屈が分らないのである.

保険の適用外だけ自費で負担し, 適用分は保険で賄えばいい, と思うのが普通だと思うのだが, その様な 「混合診療」 は原則禁止されているのである.

政府は, 2004 年に混合診療の範囲を大きく広げると決定したものの, 厚生労働省が一部の例外を認めてきただけで, 10 年近く経った現在も, 原則解禁の気配はないのである.

日本医師会は 「必要な医療技術は速やかに保険の対象に」 と主張しているが, それでは国の医療費が破綻する事は目に見えている.

11 年度の国の医療費は概算で前年度比 3% 増の 37.8 兆円である.

年々, 医療費が増加の一途を辿るのは, 医療技術の高度化と高齢化とが主たる要因となっている.

保険医療を充実させるか, 或いは財政負担を考え見直すか, 二律背反の問題なのである。

何れにせよ, 早晩, TPP への参加が決まれば, 混合診療の問題も放ったらかしでは済まなくなるであろう.

混合診療が広く認められる様になれば, 鍼灸による保険診療の適用範囲も拡大され, 患者さんは必ずや恩恵を被ることになる筈なのであるが, 一日も早くその日が到来する事を期待したい.

本日のカット写真提供 : 下平 宏 氏 (花シリーズ)

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