健康小話

大阪大の研究ﾁｰﾑは, 角膜損傷の患者を対象に, 様々な細胞に成長できる iPS 細胞を使った再生医療の臨床研究を 3 - 4 年後を目標に開始する計画の様だ.

患者の血液をもとに作った iPS 細胞から角膜ｼｰﾄを作製し, 損傷部に移植する.

ﾄﾞﾅｰ不足が深刻な角膜移植に代る, 新たな治療技術として実用化を目指すと言う.

臨床研究では, 採取しやすい患者自身の血液から iPS 細胞を作る.

角膜の上皮細胞と内皮細胞に育ててｼｰﾄ状にして, 角膜の損傷部に貼り, 癌ができずに視力が回復するかを確認する.

角膜に炎症が起きたり, 薬剤で傷付いたりすると視力障害が起きる.

治療には死亡した人からの角膜移植が必要だが, ﾄﾞﾅｰ数は不足気味で, 国内の待機患者数は約 2600 人と言われている.

一方, iPS 細胞を使った臨床研究は, 理化学研究所などが目の難病 「加齢黄斑変性」 の治療が, 厚生労働省の審査を条件付きで承認されている.

やや視力が改善する程度で, 劇的な効果は期待できないものの, 現状の治療法では症状の進行を抑える事しか出来ないため, 患者にとっては大きな一歩になると言う.

本日のｶｯﾄ写真 : 下平 宏氏提供 (ｵｵﾊｸﾁｮｳ ｼﾘｰｽﾞ)

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