(1392) 学習性無力感2013/12/17 02:21

国立精神・神経医療研究センターの大野 裕先生がこんな事を言っている. (日経 「こころの健康学」)

1960 年代にマーティン・セリグマン博士が提唱した 『学習性無力感』 という概念は今でも重要だ.

"一生懸命頑張っても成果が得られないと, それ以上頑張ろうという気力が失せて来る" という考え方だ.

セリグマン博士は, その理論の正当性を, 犬を使って実証した.

犬を辛い状況においてそこから抜け出せなくすると, 抜け出そうという意欲を失くしてくる.

自分には抜け出すだけの力がないと考えて, 抜け出そうという気力が失くなってくる.

私たちも, 失敗が続くと自信を失ってくる. 「どうせ何をやってもダメだ」 と考え, 何かをする意欲がなくなる.

この様に仕事や勉強など, 自分がやった事の成果を感じられる事が次のやる気に繋がるのだが, 成果を感じられるのは, 仕事や勉強が上手く行った時だけではない.

なかなか仕事の成果が表れなくても, 頑張りを周りの人から評価されると気持ちは軽くなる.

物理的な成果だけでなく, 心理的な成果が, こころの健康のためには重要なのだ.

過重労働で鬱状態になった人が, 精神的にきつかったのは, 過重労働だけではないと言っていたのを思い出す.

遅くまで残って頑張っている時に, せめて一言上司から 「助かっているよ」 という声掛けがあれば頑張り甲斐があるのに, それがないのが辛かったという.

つくづく私たちは人の中に生きているのだと思う.

一般に, 誉める事の重要さについては, 良く言われているので, 日常生活でも心掛けている心算でいたが, それは概して, 相手が目に見える成果を挙げた時に限られていた様に思うのである.

大野先生の言う様に, 「なかなか仕事の成果が表れなくても, その努力する姿をきちんと見ていて呉れる人がいる」 と言う事に気付かせてあげる事も, また, こころの健康を守るためにはとても意味のある事なのだ, と反省した次第である.

Have a nice day!
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