(1411) 膵臓癌に新療法 2 種2014/01/05 03:21

膵臓癌の患者には嬉しいニュースがある.

1 つは, 微粒子化した抗癌剤.

先般, 東京大学の片岡 一則教授らは, 膵臓癌の組織に抗癌剤を効率的に運び, 癌細胞を死滅させる事にマウスの実験で成功したと言う.

抗癌剤の副作用を下げて, 膵臓癌の治療効果を高める事が可能になったのである.

白金から出来た抗癌剤を中に包んだ 「ミセル」 という直径 30 ナノ (ナノは 10 億分の 1) メートル程の微粒子を設計した.

抗癌剤と高分子の溶液を混ぜるだけでミセルが作れるとの由.

これを血管に注射すれば, 正常な組織に影響を与えずに, 癌組織にだけ薬を運べるらしい.

膵臓癌を発症して肝臓に転移したマウスにミセルを注射すると, 8 週後も 10 匹総てが生き延びたのである.

これを人間に当て嵌めると 5 年間生存した事に相当すると言う.

一方, 抗癌剤だけを投与した場合は半数近くが死んでいる様だ.

膵臓癌は肝臓などに転移してから見付かる事が多く, 5 年生存率が 10% 以下と言われている.

もう 1 つは放射線を用いた治療法だ.

この程, 京都大の平岡 真寛教授らは, 副作用を減らす最新の放射線治療を膵臓癌の患者に初めて実施した, と発表している.

呼吸などで位置が変化する膵臓の病巣を正確に狙うとともに, 照射する放射線の強さをコンピューターで制御し, 周辺の正常な臓器への影響を抑えたと言う.

膵臓癌の病巣は呼吸によって位置が数センチ変化する.

そこで, 病巣の動きを考慮して放射線の照射範囲を広げると, 周囲の正常な臓器もダメージを受け, 出血などの問題が起こってしまう, と言う課題をこれまで抱えていたのである.

治療は平岡教授らが三菱重工業や先端医療センター (神戸市) と開発した装置を用いたと言う.

体内に埋め込んだ金を目印に病巣の位置をリアルタイムで追尾し, 放射線を照射すると言うものだ.

京大病院で, 60 歳代の男性患者に計 5 回照射した. 従来の治療に比べ, 正常臓器に放射線が当る量は胃で 37% 減, 十二指腸で約 20% 減となったという.

どちらの技術も, 早期の実用化が望まれる処だ.

本日のカット写真 : 下平 宏氏提供 (オオハクチョウ シリーズ)

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