(1480) 柑橘類の害虫から抗癌剤?2014/03/15 03:05

先般, 豊橋技術科学大 (愛知県豊橋市) などの研究チームは, 柑橘類の害虫 「ミカンキジラミ」 (体長約 3 ミリ) は, 毒を作る細菌を体内に共生させる事で, 天敵から身を守っている事を突き止めている.

同大の中鉢 淳准教授 (共生生物学) によると, "寄生相手を外敵から守る機能での安定した共生関係が確認されたのは生物で初めて" と言い, 「この毒は抗癌剤などの新薬開発に繋がる可能性もある」 らしい.

研究チームが, ミカンキジラミ腹部の器官にいる 2 種類の細菌を遺伝子解析などで詳しく調べると, このうち 「プロフテラ」 と名付けた細菌が, 毒性のある化合物を作っていると判明した.

そこで, この細菌をヒトとラットの癌細胞に与える実験を行った処, 癌細胞を死滅させる事が判明したと言う.

もう 1 種の細菌 「カルソネラ」 はミカンキジラミに栄養を供給する.

何れの細菌も, 虫に取り込まれて細胞内小器官の様に働いており, 共生関係を築いた祖先を調べると, 数千万年から数億年の間, 卵を通じ子に受け継いできたと考えられる由.

中鉢准教授は 「虫の天敵は常に変化する. 毒を作る細菌を体内に持つ事は負担も大きく, 外敵から守る機能での共生は安定しない事が多い. プロフテラの様に一体化した例は世界で初めての発見だ」 としている.

ミカンキジラミは, 樹液を吸う際, 他の病原体も運び, ミカンなどの生育が悪くなって果実に緑色の部分が多く残る他, 樹木は数年で枯れる由.

もともとアジアの亜熱帯, 熱帯地域に生息していたが, 中東や米大陸へ広がり日本の南西諸島や九州にも上陸したとされている.

今回の成果を踏まえ, 細菌との共生関係を壊してミカンキジラミを駆除する薬剤開発も進めるという.

自然界には, 不思議な興味ある事がまだまだ沢山存在しているものである.

本日のカット写真 : 氷に覆われたスロベニア地方

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