(1522) 一口に "高齢化" とは言うけれど2014/04/26 02:28

24 付日経朝刊のコラム 「大機小機 - 『率』 と 『数』 で見る高齢化」 の記事には教えられた.

国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によると, 65 歳以上の老年人口が全体に占める割合は, 10 年の 23.0% から 40 年に 36.1%, 60 年に 39.9% に上昇する.

4 人に 1 人が高齢者という状態から, 将来は 5 人に 2 人が高齢者という社会になっていく.

これは 「率」 で見た高齢化であるが, 「数」 で見たらどうか?

同じ人口推計によれば, 将来の高齢者人口は, 10 年の 2948 万人から暫く増え続けるのだが, 42 年の 3878 万人をピークに減り始め, 60 年には 3464 万人となる.

16 年 (略現在) の高齢者数と同じである.

詰り, 数で見ると, 今後暫くの間は高齢化が進むが, やがて 「負の高齢化」 が進み, 元に戻ってくるのである.

これは, 団塊の世代と団塊ジュニアの世代が通り過ぎると, 高齢者になっていく人口そのものが減ってしまうからだ.

地域別では, 率と数で見た違いは更に鮮明になる.

同研究所の推計 (地域別の予測は 40 年までで, 5 年ごと) によると, 高齢者の比率は, 40 年まですべての都道府県で上昇する.

この点は全国と同じである. 詰り率で見た高齢化は続くと言う事だ.

然し, これを数で見ると, 高齢者の数は 20 年までは総ての都道府県で増加するのだが, その後は減少に転じる県が出てくる.

例えば, 秋田県や島根県, 高知県の高齢者人口は減少を続けて, 40 年の高齢者数は 10 年当時を下回るまでになる.

一方, 数で見た高齢化が圧倒的規模で進行するのが大都市圏だ.

10 年から 40 年までの間に, 日本全体で高齢者は約 920 万人増えるのだが, このうちの約 620 万人は東京, 大阪, 名古屋の三大都市圏である.

この様に, 数で高齢化の姿を見て行くと,
・高齢者の消費が日本経済をリードする力はやがて衰える
・近い将来, 地方部では医療・介護需要が減り始める
・大都市圏では医療・介護施設が大幅に不足する
などと言った, 率では見る事の出来ない高齢社会の姿が浮かび上がって来るのである.

以上であるが, 医療や介護に関る行政政策は勿論, ビジネスにおいても, 将来を見据えたマーケティング戦略に活かして行かねばならない視点であると思った次第である.

Have a nice weekend!
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