(1538) 休眠状態の卵子育てる新不妊治療2014/05/12 02:40

若くして月経がなくなった 「早発閉経」 の女性から卵巣を取り出し, 休眠状態の卵子を育てる, 新しい不妊治療で世界初の出産に成功した, と, 先だって, 聖マリアンナ医大 (川崎市) の石塚 文平特任教授らのチームが発表している.

40 歳未満で卵巣の機能が衰え, 排卵しなくなる早発閉経の患者は国内で 10 万人と推定されている.

従来は, ホルモン療法や, 他人からの卵子提供が主な対処方法だった.

この画期的とも言える新治療法では, 卵巣を腹腔鏡手術で摘出し, いったん組織を凍結保存, 眠った状態の卵子のもとである原始卵胞を目覚めさせる物質を加えて培養, 卵管を覆う膜の下に移植する.

その後, 卵子が成熟したところで採取し, 体外受精して子宮に戻すと言う.

これまでに, 27 人の患者から卵巣を摘出し, 13 人で原始卵胞が残っていると確認できた.

そのうち 5 人から卵子が採取でき, 受精卵を子宮に戻した 3 人中 2 人が妊娠, 4 年間月経がなかった 30 歳の女性が男児を出産したのである.

これまでの処, 母子ともに健康だという.

この方法が有効なのは, 卵巣に原始卵胞が残っている人に限られるが, 今後は早発閉経に加え, 加齢に伴って卵巣機能が衰えた人たちへの応用も探りたいとしている.

卵胞の活性化技術と臨床応用は河村 和弘准教授, 組織の凍結は鈴木 直教授らが開発したものであるとの事.

臨床研究として 100 例を目標に進め, 安全性や成功率の向上を図って行く計画の様だ.

斉藤 英和・国立成育医療研究センター不妊診療科医長は次の様なコメントを寄せている.

「卵巣の中の卵胞が残り少なくなると, 卵胞が育たない環境が出来てしまう事があるが, それでも人為的に発育させる事ができた.

凍結保存しておいて適切な時期を選び, 活性化して移植した組織も定着した. 画期的な方法だ.

ただ, 卵巣組織を体外で培養したり刺激したりする新しい技術なだけに, 慎重な評価が求められる. 生まれた子の発育を長期的に把握していく事が大切だ」, と.

確かに, さらに症例を集め, 慎重な評価がなされなければならないが, 将来の不妊治療の一つの可能性を示したものとして今後の進展を期待したい.

本日のカット写真提供 : 下平 宏 氏 (カワセミ・シリーズ : 交尾)

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