(1541) 触れる2014/05/15 02:33

熊倉 功夫静岡文化芸術大学学長が, 昨今の医療への痛烈な批評を寄せている. (13付, 日経夕刊 「あすへの話題」)

医者は病気の診断をする際, 余りにも 「検査結果」 に頼り過ぎているのではないか? と言うのである.

参考までに, 以下に引用させて戴く.

昨年の私の体験であるが, 体調を崩して病院へ行った.

自覚症状を訴えたら, 早速検査に廻されて心臓に問題がある事は直ぐに判明したが, 胆嚢にもはっきりしない所があるという.

そこで初めて医者は私の腹部を触診した処, 飛び上るほど痛かった.

痛みの自覚症状はなかったが, 腹部の膨満感がある事は話しておいたのに, 検査が終るまで, 医者は私の体に一切触る事がなかった.

触れてみれば直ぐ分る事なのに, 一寸不思議である.

そう言えば, 医者が触診しない処か, 人の顔も真面に見ない様に思える.

終始一貫, コンピューターの画面ばかり見ていて, 患者の話し声とか表情を見ようとしない.

あれでは次に会った時, 前の時から顔色がどう変ったか, とか声の調子の変化など気が付く筈がない.

医者が自分の目や耳や, 指で触れた感覚で病状を見ようという意志を初めから捨てて, 検査結果の数値とか映像に余りにも頼り過ぎていないか.

然し, 触れてみれば判る事も少なくない. 私は患者の立場でそう実感した。

スキンシップは幼児の成長過程で重要である様に, 手当という言葉通り, 痛い所に手を当て苦しい所を擦る様に, 手で触れる事は人間にとってとても大切な事である.

医者と患者の信頼関係から言っても先ず手を当てる事をお願いしたい. コンピューターの画面から患者の顔の方へ目を向けて欲しい. そう思うのは私だけだろうか.

少し論旨から外れるが, 今, 医者のみならず肉体の接触がタブー化している. 節度は必要だけれど, 触れる事の大切さは忘れる訳に行かない.

以上であるが, 本ブログで何度か紹介している様に, 東洋医学では, 望診 (ボウシン)・聞診 (ブンシン)・問診 (モンシン)・切診 (セッシン) と称される 「四診法」 が診断法の基本となっている.

視覚を通じて, 顔や皮膚, 舌などの色艶や形状を診るのが 「望診」, 耳で呼吸や発声・発語などを聴き, 口臭や体臭を鼻で嗅いで診察するのが 「聞診」, 家族や患者さんに健康状態や症状などを聞き取るのが 「問診」, 手指で脈を診たり, お腹に触ったりして患者の身体に触れて病状を診察するのが 「切診」 である.

按摩・マッサージ・指圧師や鍼灸師には, 自ら, レントゲンを撮る事は勿論, 精密な検査機器を駆使する事も許されていない.

徒手検査法を用いる事はあるが, 四診法を総て駆使して診断を行うのである.

切診の中でも, 所謂 「脈診」 は, 時代小説などに良く出て来るが, 脈診法として幾つかの流派さえある位だ.

私も活用しているが, 脈診を以って病状判断を行う鍼灸師は少なくない.

患者さんが施術室に入って来る時の顏色や足取り, 更に, 施術を終えて部屋を出て行く時の様子など, 貴重な情報源なのであるが, 勿論, 手指で患者さんの身体に触れる事は, 様々な身体の情報を得る上でも, とても大切な事なのである.

本日のカット写真提供 : 下平 宏 氏 (オオルリ)

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