(1558) なぜ白衣を着るのか?2014/06/01 03:18

慶応大学医学部の三村 将精神神経科教授が, 医療従事者が白衣を着る理由を, 次の様に解説して呉れている (日経夕刊 「医師の目」)

慶応大学医学部では 5 年生に進級し, 臨床実習を始める段階で 「白衣式」 という儀式を行います.

今年も例年通り 3 月末の土曜日に, 北里 柴三郎・初代医学部長の名を冠した北里講堂で第 9 回白衣式を行いました.

日本では白衣式を行う大学は多くない様ですが, 欧米の大学ではかなり一般的です.

それでも, 1988 年にニューヨークのコロンビア大学で執り行ったのが始まりと言いますから, さほど古い仕来りでもない様です.

初めて白衣に袖を通した学生たちは異口同音に 「気持ちが引き締まる」 「決意を新たにした」 と言った感想を口にします.

今回の白衣式に来賓としてお招きした, 米スタンフォード大学の赤津 晴子先生も, スピーチで 「白衣に袖を通すという事は, これから患者さんと接するに当って, 医師としての社会的責任, 使命を全うしていく誓いを象徴するものと言える」 と話されました.

そもそもなぜ医師は白衣を着るのでしょうか.

勿論, 衛生上や感染防御の理由もあるでしょう. 然し, 白衣には更に深い意味があります.

特定の 「衣」 を身にまとう職業が三つあります.

その一つが医師. 二つ目は法衣を着る裁判官. そして三つ目は袈裟や司祭服に身を包む聖職者です.

人の罪を裁くのも, 人の罪を許すのも, そして人の命に関るのも, 神のみが行いうる行為であって, 本来, 人には許されません.

そして, 人がこれらの行為を成すには, 衣を纏って神の前で宣誓を行う (プロフェス) 事が求められます.

これがこの三つの職業を指すプロフェッションの語源です.

我々医師は日々の診療に当って, 一たび白衣を纏ったならば, 患者さんのために自らの力を尽くす事を誓った事になります.

これがメディカルプロフェッショナリズムです.

手術や手技から投薬, 言葉掛けに至るまで, 自分の行為が真に相手のためになっているか, 自問自答を繰り返します.

この様な医療の原点に立ち返れば, 今日抱える様々な医療倫理の難問を解く鍵も見付かるのではないでしょうか.

以上であるが, 私も鍼灸専門学校に入学した時, 同じ様な講義を受けた記憶がある.

白衣を着る事は 「神のみが行い得る行為」 を代行させて貰う事をプロフェス (宣誓) しているのである.

三村先生の話は, 奇しくも, 私にこの事実を想い起こさせて呉れたのであった.

Have a nice weekend!
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