(1654) iPS 細胞で血小板を量産2014/09/05 02:44

様々な細胞に変化出来る iPS 細胞から, 血小板を大量に作り出す技術を, 京都大 iPS 細胞研究所の江藤 浩之教授らが開発している.

血小板の一歩手前の細胞を安定して増やす事で, 従来の 100 倍以上の効率で血小板を作れ, 製造コストも大幅に低減出来ると言う.

研究チームは, 生まれつき血小板が少ない難病などを対象に, 2 年後を目処に臨床研究を始める計画との由.

血小板は血を固めて出血を防ぐ機能を持ち, 血液製剤として使われている.

新たに開発された手法は, 人の iPS 細胞を, 血液の元となる細胞に変化させた上で, 3 つの遺伝子を導入し, 血小板の一歩手前の細胞である 「巨核球」 を作る.

巨核球が安定して, ほぼ無限に増やせる様になり, 血小板も大量に生産出来ると言う.

また, 巨核球を凍結して数カ月間保存した後でも, 血小板を作り出せる事を確認しており, 人から採取したものに比べて止血能力は劣るが, 研究チームは 「使う量を増やせば性能を補える」 とみているとの事.

研究チームは, 既に iPS 細胞から血小板を作るのに成功していたが, 従来の技術では巨核球の増殖能力に限界があり, 低コストで大量の血小板を得るのが難しかったと言う.

なお, 献血で得られる血小板は, 室温で保存し約 4 日しか持たない.

新たな技術で血小板が安価に大量供給できれば, 安定供給に道が開ける事になる.

Have a nice day!
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