(1690) ストレスは血糖値を高める2014/10/11 03:32

国立国際医療研究センター糖尿病研究部長である野田 光彦医師が "ストレスは血糖値を高める" と, 次の様に注意を喚起している (日経 「糖尿病を知る」).

一般の糖尿病である 2 型の発症や糖尿病患者の血糖値レベルは, 精神的側面とも関係が深い.

英国人医師トーマス・ウィリスは, 既に 17 世紀に悲しみや長期の悲嘆が糖尿病を引き起こすと記している.

東日本大震災の際に, 主に過去 2 か月までの血糖値のあらましを示すヘモグロビンエーワンシー (HbA1c) が心理的ストレスと関連して増える事を, 水戸地域医療教育センターの患者データで筑波大が報告している.

東北大グループの調査でも, 震災で HbA1c が増加し, 津波を経験した人で顕著だった.

精神的ストレスの影響と言えるだろう.

阪神大震災の際もストレスと血糖値上昇の関係を神戸大グループが示しており, 2004 年の新潟県中越地震の 1 型患者でも同様だった.

米国の軍役従事者約 4 万 5 千人の研究では, 心的外傷後ストレス障害 (PTSD) があると, 無い人に比べ 3 年間の糖尿病発症が約 2 倍だった.

テルアビブ医療センターに通院中の 82 人の糖尿病患者では, 湾岸戦争の際の HbA1c の増加が報告されている.

米看護師約 6 万 3 千人の追跡調査で, 夫などによる肉体的暴力や激しい精神的虐待が 2 型のリスクを増していた.

日本からは残業時間が 50 時間を超えると, 25 時間以下に比べ糖尿病の発症が 3.7 倍になる事が, 電気機器製造業の従業者で示されている.

私たちの 「多目的コホート」 の男性の調査でも, ストレスが多いと答えた人は少ない人に比べ 2 型の発症が多かった.

同様の報告は海外からもある.

日本は眠らない国だ. 経済協力開発機構 (OECD) の 09 年の調査では, 日本人の 1 日平均睡眠時間は 7 時間 50 分で, 18 カ国のうち最短の韓国に略並び, 最も長いフランスより 1 時間少ない.

睡眠が 5 - 6 時間以下や, 逆に 8 - 9 時間を超えると 2 型のリスクは高まる.

夜勤や交代勤務が 2 型のリスクである事も国内外から報告されている.

ストレスは副腎皮質ホルモンや交感神経ホルモンを増やしたり, 不健康な生活習慣に繋がったりなどする事で血糖値を上げる.

08 年版の国民生活白書では日本人の約半数がストレスを感じている.

ストレスを意識的に減らす努力は重要だが難しいケースも多い. 言い訳にせず, よりよい自己管理を目指したい.

健康の維持・向上に際しては, 如何にストレスマネジメントが大事かが, 上記の記事をもってしても解る.

ストレスは溜め込まず, 上手に発散する術を身に付けたいものである.

心身のストレスを癒やす一助となる, 鍼灸やマッサージなどで, そのお役に立てれば幸いである.

Have a nice weekend!
--------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.
・モニター希望者募集中. (詳細お問合せ下さい.)