(1691) 小林 弘幸 著 『「怒らない体」 のつくり方』 (祥伝社)2014/10/12 01:41

自律神経研究の第一人者として知られる, 小林 弘幸 順天堂大学医学部教授の新刊である.

昔から 「短気は損気」 と言われてきたが, 些細なことでいちいち腹を立てていると, 結局自分が損をする, という意味だが, 医学的に診てもそれは正しい見解であると言う.

怒って得をする事など, 一つもないのだ.

それ処か, "怒りは健康を蝕むだけだ", と著者は言っている.

医学的に見ると, イライラしたり, カリカリしたり, あるいはムカムカしたり...と言った感情も怒りに分類されるが, 何故, 怒りは健康を阻害するのか?

それは, "自律神経を乱す事になる" からだ, と著者は指摘している.

本書の冒頭に設けられた 「問診リスト」 に回答することで, 読者自身の自律神経のバランス状態が 4 つのタイプに分類できる様になっている.

その結果に応じて読み進めていくと, 自分に合った 「怒りへの対処法」 が見えてくる, と言う構成になっている.

著者によれば, 怒りは自律神経を乱し, 交感神経が活発になる.

その結果, 心拍も血圧も上がって血管が収縮するため血流が悪化し, 全身の細胞に栄養が行き渡らなくなる.

然も, 重要なのは, 怒りはほんの一瞬でも, 一度乱れた自律神経はそう簡単には元に戻らないと言う事実である.

一度乱れた自律神経が正常化するには 3 時間程度の時間を要するという研究結果もあると言う.

また, 怒ると交感神経の末端から分泌される 「アドレナリン」 が増えるが, このアドレナリンには血小板の働きを活発にして, 血液を固める作用があるのである.

詰り, 血行が悪くなる上に, 血液がドロドロになってしまうのだ.

高ストレス社会に生きる我々にとって, 著者の説く 「怒りコントロール法」 は大いに参考になるに違いない.

ここ 2, 3 年, 脳梗塞や心筋梗塞などに襲われ, 片麻痩になったりする患者さんが増えている様に感じているのであるが, これらの発作は 「激しい怒り」 を覚えた時などに起る事も多い様である.

怒りのマネジメントは, これからの高ストレス社会をタフに生き抜く知恵として欠かせないのではないだろうか?

Have a nice weekend!
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