(1778) ツボ療法の由来2015/01/07 01:57

時々, 患者さんから 「ツボ療法はどの様にして生まれたのか?」 と言う質問をされる事がある.

漢方や鍼灸などに代表される, 東洋医学は, 言うまでもなく古代中国に端を発している医術である.

古代中国医学の古典とされる 『黄帝内経 (コウテイダイケイ)』 の 『素問 (ソモン)』 に, 「異法方宜論」 と言う箇所がある.

ここに, 気候風土・生活習慣の違いから生ずる疾病に対応する治療法の発生・発展と言う形で, 陰陽・五行思想と結び付けて, 次の様に説明されている.

東方に 「砭石 (ヘンセキ)」 (即ち, 石針 = メス) が起る.

南方に 「九鍼 (キュウシン)」 (即ち, 微鍼 = 毫鍼 (ゴウシン) が起る.

中央に 「導引按蹻 (ドウインアンキョウ)」 (即ち, 呼吸法・按摩・関節運動法) が起る.

西方に 「毒藥」 (毒, 即ち, 作用の激しい薬, 湯液療法) が起る.

北方に 「灸焫 (キュウゼツ)」 (火熱を押し付け, 温め熱する) が起る.

この様に, 例えば, 大地が肥え, 草木も豊かに生い茂る地方では 「湯液療法」 が, 一方, 石ころが多く, 艾 (モグサ) 程度しか生えない山岳地方では灸療法が, と言った様に, 広大な中国では, その土地, その土地の環境に適した医術が生まれ, 発展したのである.

「手当て」 と言う言葉が有る様に, 昔から人間は, 身体に痛みを感ずると, 自然とその部位に手を当てて, 優しく揉んだり, 擦ったりしていた.

やがて, 苦痛を感じる部位には, 手の代りに, 尖った石や動物の骨で叩いたり, 艾 (モグサ, 灸) を据えたりする事を学んだのである.

広島に原爆が投下されて以後, 最初に生えて来たのが蓬 (ヨモギ, 艾) であったと言われている様に, 古代の人も, 荒れ地に逞しい生命力で芽を出す蓬に肖ろうとしたのに違いない.

数千年の昔に起ったとされる東洋医学が連綿と伝承されて行くに連れて, 稀に, 或るツボ (経穴) を刺激すると, 身体中にその刺激の流れ (= 気, 経絡) が皮膚に現れる 「経穴人間」 の存在が明らかとなり, 「経穴・経絡」 と言う概念が体系化されて行ったと考えられている.

太陽のリズムと共に生きる事の難しい現代のストレス社会では, 身体に経絡反応を示す人間は先ず存在しなくなってしまった.

けれども, 自然と共に生きた太古の人間には, 経絡反応 (ツボ) が皮膚表面に現れる人が少なくなかった様なのである.

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