(1802) 桐野 高明 著 『医療の選択』2015/01/31 03:05

表題の本が岩波新書で発刊されている.

日本の医療制度は世界的にみても誇れる素晴しい制度であると思う.

全国民が, 健康保険などの公的な医療保険制度に加入し, 誰もが, どの病院に掛かっても構わないし, 一定の質の医療を, それほど重くない負担で受ける事が出来るからだ.

実は, これだけの制度を備えた国は余りないのである.

然し, 世界的に見れば高い評価を受けている我が国の医療制度が危ぶまれているのは, 皆さんご承知の通りである.

厚労省の概算では, 2013 年度の国民医療費は 39 兆 3 千億円となった模様である.

介護費用を含む保険医療費は, 国内総生産の 1 割を超え, 先進国の平均を上廻っており, 11 年連続で過去最高を更新し続けている.

医療費膨膨の主因は, 高齢化である.

75 歳以上の 1 人当り医療費は 92 万 7 千円. 74 歳以下の 4.5 倍近くになる.

75 歳以上の人口は 13 年で 1560 万人で, 10 年前の約 1.5 倍に増えており医療費増が止まらないのだ.

また, 技術の高度化も影響している.

医療費の単価に当る 1 日当り医療費は 1 万 5213 円で, 前年度比 3.1% 増えている.

抗癌剤などの新薬, 新型の医療機器や手術が増え, 医療費の膨張に繋がっているのである.

今後, この世界に冠たる質の高い医療制度をどう維持して行けば良いのか? また, 維持して行けるのか? 大きな課題となっている.

処で, 著者は, 大きく 2 つの選択肢を用意している.

一つは負担をしてでも今の制度を何とか維持する方向である.

もう一つは, 公的な制度で受けられる医療の範囲を縮小し, それ以上を望むなら, 個人がそれぞれ市場で医療サービスを買うという方向だ.

陰陽論ではないが, それぞれにメリット・デメリットはあるが, 著者の選択は明快である.

著者の選択を是とするか, 非とするかはそれぞれに考えがあるだろう. けれども, どちらを選ぶにせよ, 最終的に, 義務と責任を負うのは国民一人一人なのである.

Have a nice weekend!
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