(1814) 延命か寿命か2015/02/12 02:34

1/25 付朝日新聞に 「胃瘻の選択」 についての記事が載っていた.

つい最近, 叔母が胃瘻の手術をしたので興味があり, 読んでみたのであるが, 次の様な内容であった.

連載に登場した大垣 進さんの訪問看護師だった大西 美智子さん (56) が, 今でも心に引っ掛かっているケースがある.

昨年 3 月, 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) で亡くなった横浜市神奈川区の田渕 誠紀 (シゲノリ) さん (享年 68) だ.

2012 年 3 月, 大西さんは, 口から食べられなくなって来ていたので, 妻の倫子 (トモコ) さん (70) )に 「胃瘻にしたら如何でしょうか?」 と提案した.

倫子さんは 「胃瘻にしても (ALS は) 治らないのに, 何でそんな事するの?」 と消極的だった.

どちらが誠紀さんの為にいいのか、葛藤があった.

でも 「意識はあるが体を動かせない」 という本人の心の内を考えると, 胃瘻にせず, 寿命で逝った方がいいのでは, と考えた.

倫子さんは元々 「自然死主義者」 だった.

誠紀さんは 「胃瘻にしてもっと生きたい」 と考えていたが, 倫子さんに遠慮して言えなかった.

大西さんは, 毎週の様に倫子さんに, 胃瘻の話をした. 「ご主人は (気管切開して人工呼吸器をするかなど) 将来の事を悩んでいる. 考える時間を与えるためにも, 胃瘻にした方がいいんじゃないかな」

「延命はいや」. 倫子さんの考えは変らなかった.

5 月, 居間で 3 人で話していた時の事だ.

倫子さんは 「この人 (誠紀さん) は, どう思っているの?」 と大西さんに尋ねた.

「ご主人は着けたいと思っているわよ」.

すると倫子さんは, 玄関に行って, 「自分で言えばいいのに」 と泣いた.

翌週, 自宅を訪ねると, 倫子さんは言った. 「本人がやりたいなら, 胃瘻にしましょう」.

本人の 「生きたい」 という意欲を尊重したかった.

決まってからは, 胃瘻の使い方や注意点を熱心に聞いて来た. 栄養剤を予定の半分しか入れられなかったり, 下痢をしたりした事もあったが, 倫子さんはきっちり胃瘻の管理をした.

10 月初旬, 誠紀さんは大西さんに正直な気持ちを伝えた.

「僕は生きたい. (2 歳の) 孫が小学校に入るまでは生きていたい」 「でも気管切開し人工呼吸器で寝たきりの生活に耐えられるか如何か判らない」

大西さんは 「じゃあ, 皆で話し合う場を持ちましょう」 と提案した.

数週間後, 主治医や長男 (44), 長女 (41) らも交え, 今後の事を話し合った.

長男は 「本人のいいようにとは思うが, 母への負担が大きい」. 長女は 「両親にとって, お互いが負担にならない様にして欲しい」. 2 人とも, どちらかというと倫子さんの立場に近かった.

倫子さんは, 眩暈を起こしたり, 心臓が苦しくなったりしていた. 体重も 10 キロほど減った. 心身ともにギリギリで誠紀さんを介護していた.

結局, 気管切開はしなかった.

胃瘻にして約 9 カ月. 昨年 3 月 23 日明け方, 誠紀さんは, 眠ったまま天国へ旅立った. 前日には, 窓越しに 「最後の桜」 を見る事が出来た.

記事は以上であるが, 延命措置をどこまですべきか? は, あくまでも本人の意思次第ではあるが, それでも家族は難しい選択を迫られるのである.

私の叔母の場合も, 胃瘻の手術をした事が本当に良かったのか如何か? 見舞いに行く度に自問自答している.

Have a nice day!
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